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2019.10.31

カタリナマーケティングが協業する「LINEクーポン」に, 大手ドラッグストアチェーン「トモズ」が参画、全国166店舗で利用可能なクーポンが追加

カタリナ マーケティング ジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:Brett Wayn、以下 カタリナ)がLINE(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:出澤剛、以下 LINE)との協業により共同でシステムを開発・提供する、コミュニケーションアプリ「LINE」内「LINEクーポン」で提供するサービスに、本日2019年10月31日から大手ドラッグストアチェーン「トモズ」(本社:東京都文京区、代表取締役社長:德廣 英之、以下 トモズ)が加わりました。これによりトモズが展開する166の店舗で使える日用品、化粧品、食品飲料などの一般消費財のクーポンを「LINEクーポン」上で提供することが可能となりました。   カタリナは、大手スーパーマーケット、総合スーパー(GMS)、ドラッグストアなど、1万を超える全国の小売店舗でカラープリント方式の「レジ・クーポン®」を提供し、多くのメーカーの店頭プロモーションを支援するとともに、消費者の購買体験の向上に寄与することを目指しています。 消費者の購買行動に対するデジタルメディアの影響が高まる中、国内で月間8,100万人*が利用する「LINE」内「LINEクーポン」上で新たにクーポンコンテンツを提供するこの度の協業により、デジタル領域でのサービス拡充を図ってまいります。メーカーは、カタリナがこれまで提供していた店頭のレジ・クーポン®に加え、「LINEクーポン」を通じたデジタルプロモーション施策の展開が可能になります。*2019年6月末時点 また、今回の「トモズ」の参画追加により、全国 約1,500店舗のドラッグストアにて、日用品、化粧品、食品飲料などの一般消費財のお得なクーポンをご利用いただくことが可能となりました。今後も、カタリナネットワーク内外の小売店やメーカーの「LINEクーポン」への参画を順次拡充していくことにより、クーポンプラットフォームとしての付加価値の向上を目指します。   【「LINEクーポン」の機能】 「LINEクーポン」は「LINE」アプリ内「LINEウォレット」トップ画面や公式アカウントなどの流入導線でクーポンコンテンツを案内します。ユーザーは、商品別、小売店別でクーポンコンテンツを検索することができ、気になるクーポンを「お気に入り」ページにブックマークすることができます。使用する際には店頭でバーコードを表示し、レジキャッシャーでの読み取りをしてもらうことで、クーポン金額が値引きされます。 今後、カタリナネットワークの購買履歴データ等を活用し、クーポンのパーソナライゼーションや、ロケーション情報を利用したプッシュ通知機能、POSデータとの連携強化によるユーザービリティの改善・効果検証など、順次サービスの拡充に努めてまいります。将来的には「LINE ウォレット」上の「LINE Pay」や「LINEポイント」、LINE公式アカウントなどとも連携していくことで、シームレスな購買体験の提供を目指します。   【補足情報】 第一弾 プレスリリースリンク 「カタリナ マーケティングと、LINEが協業開始「LINEクーポン」にカタリナ加盟店が参画、一般消費財のクーポンが追加ラインナップ   【カタリナ マーケティング ジャパン株式会社について】 消費財メーカーと小売チェーンのビジネスを向上させるグローバルなターゲット・マーケティング・サービス専門企業です。国内のSM/GMSを中心とした小売チェーンを対象に、毎週1億件以上のレジ通過者へ「レジ・クーポン®」を直接配布できるネットワークを有しており、オンライン、オフラインのタッチポイントとデータをシームレスに統合した「CATALINA 360プラットフォーム」を構築しています。カタリナ独自のネットワークから消費者の嗜好性やニーズ、購買動向を把握することによって、的確な消費者へ、的確なタイミングで、適切なメッセージを届けるターゲット・マーケティングの展開を支援しています。 社   名 : カタリナ マーケティング ジャパン株式会社 http://www.catalina-jp.com 代 表 者 : 代表取締役社長 Brett Wayn (ブレット・ウェイン) 所 在 地 : 東京都港区虎ノ門二丁目2番1号 JTビル15階 設   立 : 1999年7月13日 事業内容: 日本全国のSM/GMS/ドラッグストアの店頭において、店頭メディア「レジ・クーポン®」を活用したターゲット・マーケティング戦略の企画・立案・実施・効果検証   【株式会社トモズについて】 トモズは、「医療の一端を担う小売業としてお客様の健康で豊かな生活に役立つ、かかりつけ薬局を目指す」という経営理念の下、東京都、神奈川県、埼玉県を中心に166店舗を展開し、都市型ドラッグストアとして魅力あるお店づくりを続けています。 社   名 : 株式会社トモズ https://www.tomods.jp/ 代 表 者 : 德廣 英之 設   立 : 1993年9月 事業内容: ドラッグストア「トモズ」(調剤・物販併設)、「アメリカンファーマシー」(欧米型ドラッグストア)、「メディコ」「カツマタ」及び「インクローバー」(ブランド化粧品専門店の経営) <本リリースに関するお問い合わせ> メール:pr_otoiawase@catalina.com 広報担当 ※カタリナアプリ、レジ・クーポンはカタリナ マーケティング ジャパン株式会社の登録商標です。 ※iOSはApple Inc.の商標です。※AndroidはGoogle Inc.の商標または登録商標です。 ※その他、このプレスリリースに掲載されている会社名および製品・サービス名は各社の登録商標または商標です。   ソリューションを見る

2019.10.17

カタリナ マーケティングと、LINEが協業開始
「LINEクーポン」にカタリナ加盟店が参画、一般消費財のクーポンが追加ラインナップ
〜第1弾として、ココカラファイン店舗で使えるクーポン提供を開始〜

カタリナ マーケティング ジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:Brett Wayn、以下 カタリナ)と、LINE株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:出澤剛、以下 LINE)はこのたび、協業およびシステム共同開発により、コミュニケーションアプリ「LINE」内「LINEクーポン」で、カタリナのクーポンコンテンツの提供を開始いたします。 第一弾として、大手ドラッグストアチェーン「ココカラファイン」の全国1,300を超える店舗で使える日用品、化粧品、食品飲料などの一般消費財のクーポンを提供いたします。 協業のねらい カタリナは、大手スーパーマーケット、総合スーパー(GMS)、ドラッグストアなど、1万を超える全国の小売店舗でカラープリント方式の「レジ・クーポン®」を提供し、多くのメーカーの店頭プロモーションを支援するとともに、消費者の購買体験の向上に寄与することを目指しています。 消費者の購買行動に対するデジタルメディアの影響が高まる中、国内で月間8,100万人*が利用する「LINE」内「LINEクーポン」上で新たにクーポンコンテンツを提供するこの度の協業により、デジタル領域でのサービス拡充を図ってまいります。メーカーは、カタリナがこれまで提供していた店頭のレジ・クーポン®に加え、「LINEクーポン」を通じたデジタルプロモーション施策の展開が可能になります。 *2019年6月末時点 「LINEクーポン」の機能 「LINEクーポン」は「LINE」アプリ内「LINEウォレット」トップ画面や公式アカウントなどの流入導線でクーポンコンテンツを案内します。ユーザーは、商品別、小売店別でクーポンコンテンツを検索することができ、気になるクーポンを「お気に入り」ページにブックマークすることができます。使用する際には店頭でバーコードを表示し、レジキャッシャーでの読み取りをしてもらうことで、クーポン金額が値引きされます。 「LINEクーポン」でカタリナのクーポンコンテンツを提供することの特長 ・消費者(LINEユーザー)にとってのメリット 「LINEクーポン」のコンテンツとして食品飲料・一般消費財のクーポンが拡充し、多様なクーポンをモバイルで容易に取得・保存・利用できるようになります。 ・メーカーにとってのメリット 消費者への圧倒的なリーチを有する「LINE」内「LINEクーポン」上でクーポンを活用した商品プロモーションを展開するとともに、毎週1億件以上のレジ通過者へ「レジ・クーポン®」を直接配布できるカタリナネットワークとの連携による顧客理解が可能になります。 ・小売店舗にとってのメリット POSの初期改修が不要で、提示されたモバイル上のバーコードを読み取るだけの簡易な店頭オペレーションからクーポンの取り扱いをスタートすることが可能です。将来的には、より店舗負荷が小さいよりシームレスなクーポンを使って来店促進を行うことが可能になります。 展望 今後、カタリナネットワーク内外の小売店やメーカーの「LINEクーポン」への参画を順次拡充していくことにより、クーポンプラットフォームとしての付加価値の向上を目指します。また、カタリナネットワークの購買履歴データ等を活用し、クーポンのパーソナライゼーションや、ロケーション情報を利用したプッシュ通知機能、POSデータとの連携強化によるユーザービリティの改善・効果検証など、順次サービスの拡充に努めてまいります。将来的には「LINE ウォレット」上の「LINE Pay」や「LINEポイント」、LINE公式アカウントなどとも連携していくことで、シームレスな購買体験の提供を目指します。 【カタリナ マーケティング ジャパン株式会社について】 消費財メーカーと小売チェーンのビジネスを向上させるグローバルなターゲット・マーケティング・サービス専門企業です。国内のSM/GMSを中心とした小売チェーンを対象に、毎週1億件以上のレジ通過者へ「レジ・クーポン®」を直接配布できるネットワークを有しており、オンライン、オフラインのタッチポイントとデータをシームレスに統合した「CATALINA 360プラットフォーム」を構築しています。カタリナ独自のネットワークから消費者の嗜好性やニーズ、購買動向を把握することによって、的確な消費者へ、的確なタイミングで、適切なメッセージを届けるターゲット・マーケティングの展開を支援しています。 社   名 : カタリナ マーケティング ジャパン株式会社 代 表 者 : 代表取締役社長 Brett Wayn (ブレット・ウェイン) 所 在 地 : 東京都港区虎ノ門二丁目2番1号 JTビル15階 設   立 : 1999年7月13日 事業内容: 日本全国のSM/GMS/ドラッグストアの店頭において、店頭メディア「レジ・クーポン®」を活用したターゲット・マーケティング戦略の企画・立案・実施・効果検証   【LINE株式会社について】 LINE株式会社は、コミュニケーションアプリ「LINE」を機軸として、コミュニケーション・コンテンツ・エンターテイメントなどモバイルに特化した各種サービスの開発・運営・広告事業に加え、Fintech事業、AI事業を展開しています。ミッションに「CLOSING THE DISTANCE」を掲げ、世界中の人と人、人と情報・サービスとの距離を縮めることを目指しています。 社   名 : LINE株式会社 代 表 者 : 代表取締役社長 出澤 剛 所 在 地 : 東京都新宿区新宿四丁目1番6号 JR新宿ミライナタワー23階 設   立 : 2000年9月4日 事業内容: コミュニケーションアプリ「LINE」およびLINEプラットフォーム上で展開するコンテンツ・サービス、その他ウェブサービス事業、AI事業の提供、運営 <本リリースに関するお問い合わせ> メール:pr_otoiawase@catalina.com 広報担当 ※カタリナアプリ、レジ・クーポンはカタリナ マーケティング ジャパン株式会社の登録商標です。 ※iOSはApple Inc.の商標です。※AndroidはGoogle Inc.の商標または登録商標です。 ※その他、このプレスリリースに掲載されている会社名および製品・サービス名は各社の登録商標または商標です。   ソリューションを見る

2019.9.25

ビッグデータの力で“消費者”を“購買者”へ
「CATALINA360 – Data Drive Marketing & Digital Transformation」(後編)

  Session3: Global Trends in Retail Solutions Catalina Marketing CRO, Thomas Corley 市場環境が激しく変化する中で、ショッパーのニーズの変化は我々のコントロール外にあります。一方で企業自身がコントロールできるのは、どのようにブランド価値を上げていくのか?ということです。カタリナは、世界最大級の消費者の購入行動のデータベースを有するグローバルネットワークによって、ブランド価値を上げていくお手伝いをしたいと考えています。 そのための主要な手法には、次の4つが挙げられます。 1. 効果的かつ効率的なバイヤーエンゲージメントのためのパーソナライゼーション 2. 商品の属性データ活用によるバイヤーの購買行動予測 3. インストアでの顧客体験の再定義 4. プライベートブランドの拡大 こうした取り組みの前提として重要なのは、企業側が一人一人の購買者の違いを理解しているということです。カタリナでは次の6つの領域で購買者の属性を捉えています。 ■ 人口統計&関心事項:年齢、世帯規模、人種、所得 ■ 商品選択:成分・栄養分への欲求、ダイエット&ヘルスフォロワー ■ カテゴリー+ブランド嗜好:商品カテゴリの消費量、ブランドロイヤリティ ■ リテール選択:近隣店舗情報、店舗訪問履歴 ■ 顧客の1stパーティデータ:どのようなライフステージにいるのか ■ マーケティング施策への反応:クーポン利用率、価格感度 特にカタリナのパーソナライゼーション技術は、広告接触情報をはじめとする外部データの取り込みやデータサイエンス、独自の分析やセグメンテーションによるオーディエンスの創造、そしてオムニチャネルへの対応力といった特徴があります。 パーソナライゼーションについてもう少し具体的にご説明します。USのある調査では、98%の消費者が「栄養成分が大切である」と考え、49%がヘルス&ダイエットに興味を持ち、さらに75%が特定の成分を避ける傾向にあることがわかりました。こうした消費者の嗜好は購買行動の新たな潮流として表れ、これをベースにしたカタリナのキャンペーンでは、150%の売上向上、56%のトライアル向上という、パフォーマンスの大幅な改善が見られました。 カタリナがこうしたパーソナライゼーションに取り組むゴールは、オムニチャネルの統合されたショッピング体験を消費者に提供することによって、来店時の価値を最大化することです。それぞれのブランドにとってどのような顧客接点が一番重要かを見極めることが、今後ますます重要になります。 Session4: 弊社事業戦略とソリューション展開 Catalina Marketing Japan CRMO, Sean Chu 1週間に1回以上スーパーへ行く1000人の”ヘビーショッパー”を対象にした調査では「買い物に出かけるのは楽しい / 56.3%」「クーポンをチェックする / 55%」「自分が欲しいクーポンだけが欲しい  / 68.2%」という消費者の声が明らかになりました。こうした声に対してカタリナは、今回のイベントのテーマにも掲げている「CATALINA360」の世界観を打ち出し、消費者のあらゆる生活シーンを捉えたオムニチャネルなマーケティングソリューションの提供を目指しています。 こうした声に応えるより良い買い物体験を実現するために、カタリナは現在、基幹プラットフォームを刷新中です。カタリナのクラウドと外部データ(気象情報、位置情報)などの組み合わせによって精緻なターゲティングとタッチポイントの拡大を目指し、またデータの運用を可視化・効率化できるダッシュボード(リアルタイムレポーティング)を開発しています。 この基幹プラットフォームを起点に展開できるソリューションは無限にあるといっても過言ではありません。例えば売れ行きが天候に左右されやすい季節性の商品については、カタリナの店頭購買データと外部の気象データを組み合わせ「お天気ターゲティング」を実施することができます。7日後の最小湿度が25%と予報されている場合に保湿ローションを訴求したり、今日と明日の最低気温の差が10度以上と予報されている場合に風邪対策のメッセージと風邪薬を訴求したりする、といった施策です。 「My Favorite Deal」と呼んでいるリアルタイムターゲティングでは、チラシの掲載内容をカタリナのプラットフォームに連携し、購入者のプロフィールや製品の魅力度に応じてパーソナライズされたコンテンツをミニチラシとして消費者に見せることによって、効果が測りづらいという従来のチラシの課題解決に貢献します。 もう一つ、今後のソリューション提供の軸となるのがデジタル広告ソリューションです。これまでネットの世界に閉じていた運用型広告ですが、ここに利用許可を頂いた店頭購買データを掛け合わせることによって、関連カテゴリ購買や競合ブランド購買、自社ブランド購買といったターゲティングで配信の最適化を実現します。これまでのCPAやCPMのみならず、実購買の有無を計測指標にすることもでき、実購買率のリフト効果をデータで把握することが可能です。 これらのソリューションをリテーラー向けにわかりやすく可視化するアナリティクスダッシュボード「HUB360」の提供も開始します。例えば 「売上が好調なエリア → その中で売上が好調な店舗 → その店舗の客数 / 客単価 …」とストーリーに沿って必要なデータを深掘りするUXで、傾向の把握と対策、キャンペーン効果の検証などを支援します。 この他にも、利益貢献ベースでのCRM施策やプロモーション展開を可能にするデシル分析や、個店レベルの売上向上を戦略的に促進するストアレベニュープレディクションサービス、店頭購買データをECでのCX向上に活用するe-コマースレコメンドなど、高度な分析メニューも今後続々と発表する予定です。 カタリナは、週に1億件以上のトランザクションデータと4700万以上のID情報という比類なき資産、そして高度な分析技術をこれらの実用的なマーケティングソリューションに変換し、今後も小売企業やメーカー、デジタルパブリッシャーへ提供し、それぞれの皆さまの顧客満足度の向上を支援してまいります。 以上

2019.9.20

ビッグデータの力で“消費者”を“購買者”へ
「CATALINA360 – Data Drive Marketing & Digital Transformation」(前編)

9月10日に、カタリナ マーケティング ジャパンのコーポレートイベント「CATALINA360 – Data Drive Marketing & Digital Transformation」を開催しました。消費者の生活シーンを360°で捉えるオムニチャネルのマーケティングソリューションについて、最新情報と知見を共有するこのイベントに、今年もリテーラー各社様、メーカー各社様、そしてパートナー企業様から200名を超える皆さまにご参加いただきました。   基調講演のゲストスピーカーに株式会社クー・マーケティング・カンパニー代表取締役の音部大輔氏をお迎えしたほか、カタリナ本社よりCMOとCROが登壇し、マーケティングの最新事情や海外の先進事例などをご紹介しました。また、冒頭では今年8月に弊社代表取締役社長に就任したBrett Waynよりご参加いただいた皆さまへの感謝をお伝えするとともに「人材不足に直面しながらサービス品質を守るリテール業界を、クーポンだけではない多様なマーケティングソリューションで支援していきたい」と、新体制で一層の付加価値をご提供していく決意を申し上げました。このレポートでは、前後編の2回に分けて、当日の講演内容をダイジェストでご紹介します。 Session1:Catalina in Digital Economy Catalina Marketing CMO, Marta Cyhan 昨今、ブランドと消費者をめぐる環境は破壊的ともいえる変革を迎えています。消費者にとってパーソナルかつシームレスな購買体験が不可欠となる中、企業が取り組むべきことは何でしょうか。 一つ目は、デジタルサービス機能の強化です。米国の調査によると「実店舗における1ドルの消費のうち56%がデジタル上でのインタラクションの影響を受ける」ことが明らかになっています。世界のリテールセールスの90%がいまだに実店舗で行われていることを考えると、デジタルでの取り組みがリテーラーにとっていかに重要であるか、そして購入プロセスにおけるオムニチャネルのアプローチが求められていることが分かります。購買体験に対する消費者の期待値が上がる中で勝ち進んでいくのは、こうした取り組みによって品質と価格の組み合わせを最適化できるリテーラーでしょう。 日本のリテーラーは人手不足という特有の問題を抱えていますが、利便性の高さや”面白さ”、シームレスであることなど、購買体験へのニーズは高まる一方です。それに応えるためにカタリナはマーケティングのためのエコシステムを提供し、ソリューションを進化させています。 具体的には ■ 予測モデリングとAI ■ カスタムオーディエンス&セグメント ■ メディア&エンゲージメント ■ 効果測定&アトリビューション などの機能を提供し、企業がカスタマージャーニーを通じて消費者との関係を最大化するためのカタリストとなることを目指しています。 これまでのカタリナは、店舗内に特化して紙のクーポンを出し、購買後の結果を分析することによって企業のマーケティング施策を支援する企業でした。しかし今後は、オンラインとオフラインをまたぐオムニチャネルで消費者の購入前・後の行動に働きかけ、さらには予測モデリングでマーケティング施策への予見を提供する、デジタルプラットフォーマーへと変革しています。 Session2:データ・ドリブンなマーケティングで考えるべきこと 株式会社クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役 音部大輔 氏 データ・ドリブン・マーケティングが台頭する中でも、変わるものと変わらないものがあります。 変わらないものは「マーケティングの役割」「消費者中心の思想」、そして変わってきたものは「消費者のデジタル化」「複数パートナーとの協働」という側面です。 変わらないものの一つである「マーケティングの役割」とは何でしょうか。日本マーケティング協会が定義する文章からさらにエッセンスを抽出し、音部氏は「マーケティングとは市場創造である」と表現します。新市場の創造や既存市場の再創造の時に何が起こっているかをさらに掘り下げると、市場創造とはつまり「『いい〇〇』の定義が変わる」こと。例えば自動車市場の変遷は「いい車とは何か」の変遷とイコールであり、「みんなで乗って楽しい車」が好まれた時代から、現在は「環境負荷の低い車」が「いい車」となって、新たな市場を創造しています。 もちろんこうした変化は消費者が受け入れて初めて市場となるものですが、音部氏は「消費者自身はここまで明確に定義しない。マーケターが提案し、受け入れられたときに時代を変えられる」と説明。広告施策や新商品などはあくまでも手段であり「『いい〇〇』の定義を変える」ことこそがマーケターの役割であると強調しました。 あらゆるビジネスで重要な「ユーザー理解」 マーケターの役割と同じように、デジタル化が進む中でも変わらないのが「消費者中心の思想」です。皆さんは自社商品のターゲットを設定する際、どのようなユーザー像を掲げるでしょうか。年代と性別による切り分け方をよく見かけますが、年代と性別が共通していても、実は嗜好や行動の傾向の共有度合いは低いと言われています。 例えば20代女性をターゲットにする場合、フォーカスすべきは20代の女性であるという事実ではなく、「なぜ20代女性をターゲットにしようと思ったのか?」という属性です。ターゲットにしたいと考えた理由は、人生経験の少なさか、これからの人生の長さか、収入が少ないところか、デジタルリテラシーが高いところか…。また、同じ一人の女性でも、子、母、妻といった「自我」に着目することも重要です。自我は他にも「過去に立脚した人か」「未来志向の強い人か」など無数の切り分け方がありますが、どの自我が表出しているかによって、同じ棚の前に立っても選ぶものが変わります。 ユーザーを理解するために、接点間の連携を設計する 一方で、変わったことの一つに「消費者のデジタル化」があります。マーケターにとってのポイントは、消費者が単にデジタルコンテンツに触れるようになったことではなくそれを計測できるようなったこと、そして計測したデータによって「枠」ではなく「消費者」をターゲットとしてコンテンツを配信できるようになったことにあります。 この変化にともない、パートナーとの協働も、マーケティング活動の重要なファクターになりました。新興テクノロジー企業が勃興し、DMPやCDP、MA、AIといった新しい技術が生まれる中、消費者接点の多様化をカバーする外部パートナー企業との連携は、マーケターにとって重要な選択肢になっています。マーケティングの役割は変わらずともデータを通してその活動は変わり、ユーザーを理解するために接点間の連携を設計することが重要になってきているのです。 無駄なトライアルは「がっかりするユーザー」を生む 音部氏の2つ目のトピックは「リピートにつながらないトライアルに意味はあるのか」。これまでのマーケティングでは、まずトライアルで広く認知を取り、そこから購入意向、購入、使用、再購入、口コミというファネルに沿って、下段へ遷移する際にいかに多くの人を残すかに主眼を置いていました。 しかし消費者のあらゆるデータを計測できるようになった現在、ファネルでいうと最下段にあたる「口コミ」を起点とした「エレベーター型」の手法が注目されています。口コミを広げてくれるロイヤルユーザーの姿を捉え、その人たちと似た人たちのトライアルを取ることができれば、そのまま購入やリピート購入に繋げられる可能性が上がるためです。先ほどの例とは対照的に、ファネル上段の無駄な獲得を減らすことによって変数係数を高めようという取り組みですが、これには「無駄な獲得を減らすことによって、(期待値と体験のギャップに)がっかりするユーザーを減らす」という大きなメリットもあります。 ユーザーを理解するために、接点間の連携を設計する エレベーター型の施策においてロイヤルユーザーを知るために重要なのが、購入データの質や連携性です。マーケティングの役割は変わらずともデータを通してその活動は変わり、ユーザーを理解するために接点間の連携を設計することが重要になってきていると前述しましたが、この「接点間の連携を設計する」というのが、これからのマーケターに必要な技術になります。 多くのマーケターは消費者との接点を理解する道具としてカスタマージャーニー・マップを作成しますが、これは言うなれば「今ある活動の記述」であり、商品カテゴリごとのユーザー行動は設計できても、ブランドマネジメントを完結させることはできません。アル・リースとジャックトラウトは共著の中で「マーケティング活動の本質はパーセプション(知覚・認識)である」と記述しましたが、カスタマージャーニ・マップに対してパーセプションフロー・モデルという考え方があります。これは、消費者の認識変化を示した設計図、つまり「消費者にどういう認識変化をもたらしたいか?」を4P(Product、Price、Promotion、Place)全域の行動デザインに落とし込んだものです。このパーセプションフロー・モデルによってマーケターは、マーケティング活動の全体を設計し、目的に即して新しい技術やデータを使うことができるようになります。 以上

2019.9.19

「生活にダイレクトに紐づいていて刺激的」 “納得感”を重視してリテーラーと併走するアナリスト

  システムエンジニアからデータアナリストへ転身 ━━これまでの経歴を教えてください。 私はカタリナで2社目になります。前職は日本企業で、システムエンジニアをしていました。リテーラーをクライアントに、主に販売管理システムの設計をしていたのですが、分析システムの設計に携わる機会がありました。実際にデータアナリストの方たちにお会いするなかで、自分もその職種に興味を持つようになり、転職を決めました。 ━━なぜカタリナに入社を決めたのでしょうか? 一口にデータアナリストといっても、Webを扱う領域もあれば、コンテンツを扱う領域もあり、会社や扱っている商品によって分析対象は様々です。カタリナは購買データを扱っているので、私の前職とも連続性があり、自然と入社するイメージが湧きました。現在、カタリナで働き始めて3年目です。   「生活にダイレクトに紐づいていて刺激的」リテーラーと併走してPDCAを回す ━━現在の業務内容について伺えますか? データアナリストとしてクライアントの課題解決を目的に、施策提案のためのインサイト分析や、施策後の効果検証を実施しています。最近は、予測モデルを使った施策の提案も増えてきました。 私はリテーラーのクライアントを担当しています。リテーラーの目的は店舗の売上最大化です。売上が減っているときにはその理由は何か、例えば新規顧客が減っているのか、既存顧客の来店が減っているのか…などを総合的に分析し、次の施策はどうすべきか、営業と一緒に考えています。   ━━リテーラーを担当すること特有のおもしろさは何でしょうか。 日本全国にある店舗が対象なのでデータ規模が大きく、責任を感じるとともに、自分自身の生活にもダイレクトに紐づいていて刺激的です。私の母も購買の際にはよくクーポンを利用していますし、身近なところからも影響力の大きさを実感します。 数字だけを追うのではなく、地域ごとの特色やその地域特有の天候や催事などを踏まえた上で、どういった施策が最適かを考えるのも特徴です。人の行動を変えるのはとても難しいことなので、来店が定着していって売上が伸びたり、ポジティブな変化が数字にあらわれたときは「よし!」と思います。 「インストアとデジタルの掛け合わせにチャレンジしていきたい ━━今後の課題は何でしょうか? 「お客様が来店されなくなったときにどうするか」というのが課題です。カタリナはいままで、実際に来店された方にたいしてクーポン出すことを施策としていました。しかし、これだけでは「店舗に来なくなってしまった人」にリーチすることができませんでした。 そうしたお客様にアプローチするためのツールとして、デジタルの施策は強いと思っています。アプリやWebサイトを開いたときのバナーなどで、長らく店舗に来ていない人や来たことがない人を、来店に導くことができる。これからはデジタルにも力を入れ、インストア施策とかけあわせることでリテール業界を活性化させていきたいです。 ━━具体的な業務のなかで、どんな瞬間に一番やりがいを感じますか? 基本的にアナリストはバックオフィスの業務がメインなので、営業からクライアントの状況を聞き、その内容を分析する仕事が多いのですが、やはり直接クライアントとコミュニケーションをとって、成果を出せたときが嬉しいです。 クライアントに赴き、分析のプレゼンテーションを行い、実際にクライアントの課題を聞いた上で、さらに施策を考える。実際の施策でPDCAを回して、結果が出たときに一番やりがいを感じます。施策の費用対効果が上がると嬉しいです。また、アナリストというとクライアントの方にも身構えられがちなのですが、その殻を破って相手と心を通わせられる瞬間が好きです。   ━━仕事をする上で、一番大事にしているポリシーは何ですか? 「自分が納得したことをやる」ことです。疑問点も積極的に発言するようにしています。より良い分析を出すために、営業やクライアントともしっかりとコミュニケーションを取ることが大切だと思っています。 逆に「相手に納得してもらう」ことも大切にしています。分析の説明をする際も「難しくてわからない」とは絶対に言われないように、言葉使いなどを心がけています。相手に「難しくてわからない」と言われてしまったら、コミュニケーションがストップしてしまうんですよね。誰もが分析や施策を自分ごととして理解できるように気をつけています。 「謎解き」が得意な人が結果を出すことができる!? ━━分析チームの雰囲気について教えてください。 とてもフラットです。多国籍なメンバーがお互いを尊重しあってます。人の意見や価値観を否定したりしないですね。私の上司はインド出身のとても陽気な人で、チームも和気藹々としています。また、会社全体で意思決定のフローがすごく短いことも特徴です。やりたいと思ったことを実行に移せるまでのスピードが早いと思います。 ━━どんな人と一緒に働きたいですか? 課題解決、謎解きが好きな人ですね。「なぜこの数字は下がったのか」「どうしてこの施策はうまくいかなかったのか」「どうすれば上手くいくのか」ということを考えられる人が結果を出すことができると思います。それと、コミュニケーション能力は必須です。他部署との関わりも多く、クライアントに直に会ってお話しする機会もあるので。 ━━最後に自分らしい時間や趣味を教えてください。 趣味は服の買い物です。カタリナは服装自由なので、いつも好きな服をコーディネートして出勤しています。 ボードゲームや脱出ゲームをしているときも楽しいです。最近、会社でボードゲーム部ができたんです! 考えるのが好きな人たちが集まっているので、みんなでゲームをするととても盛り上がります。脱出ゲームがうまくいかなかった翌日のランチですぐ反省会が開かれるほどです(笑)。   Strategic Analytics Group Data Analyst Y.N. 2016年9月 入社   「社員の声」に戻る 採用情報はこちら  

2019.9.19

国内のSM/GMS流通売上の5割以上を網羅する流通ネットワークを対象に
2019年の消費税増税に向けた購買動向を分析
〜消費増税前後における、売上と購買行動傾向をカテゴリー別に分析、考察する〜

カタリナ マーケティング ジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ブレット・ウェイン、以下 カタリナ)は、国内のSM/GMS流通売上の5割以上を構成する主要チェーンの1万を超える店舗において、週あたり1億件以上、年間4700万IDの購買データを捕捉しています。この実購買データを分析することで生活者の購買動向を把握し、それに基づいた店頭販促プランの企画立案、実行、効果測定までを小売企業様、消費財メーカー様に対して包括的にご提供しています。このたび、2014年4月に行われた消費税増税前後での購買客の傾向をあらためて振り返るとともに、今年10月に実施予定である消費税8%から10%への増税に向けた考察を行いました。   <2014年増税時の購買動向調査結果> ■2014年4月1日の消費税増税前後で、小売店舗の売上はどのような変化を見せたか? ・駆け込み需要は増税前3週頃から。その反動は増税後8週間ほど続いた 増税前の駆け込みと見られる売上増加は増税前3週目から始まり、直前週には前年比+23%にまで増加した。 増税後は一転し、売上は前年比―25%に急落した。 その後も前年を下回る週が続き、前年並みまで回復したのは8週間後の5月最終週頃とみられる。 ・増税前は客単価が増加。増税後は客数、客単価ともに減少している 増税前の売上増加は1回あたりの購買金額(客単価)が増えたためであった。つまり1度の買い物でまとめ買いが多く行われたとみられる。増税後は客数そのものが減り、客単価も減少した。   ・まとめ買い≒大容量商品の買いだめ 増税前4週間のバスケットの内容を詳細にみていくと、商品点数よりも1点あたりの単価が平均してアップしていた。 後述するが、駆け込み購買の影響を受けた飲料などにおいては1点あたりの容量が増えており、より大容量の商品が買われたものと考えられる。 ■駆け込み購買されやすかった商品は何か? ・アルコール飲料、調味料、シャンプーなど「確実に消費する予定があり、家庭でストックができる」もの 増税前後で売上が大きく変動したカテゴリーは、アルコール飲料、米、調味料、缶詰、ペットフード、おむつ・トイレットペーパーなどの紙製品、ヘアケア用品、オーラルケア用品、衣料用洗剤、住居用洗剤、コスメといった商品カテゴリーであった。反対に、日配品、生鮮食品などの食品は増税による影響が比較的小さかった。 鮮度が重要な商品は増税に関わりなく通常のペースで購買された一方で、家庭内でストック可能な日常生活の必需品が買いだめされたと考えられる。 ・まとめ買いの起こり方は、商品カテゴリーにより特徴の違いが見られた <間口拡張型> 購買者数と1人あたりの購買量がともに増加した。 例)ヘアケア用品は、普段あまり購入しない人も買い、まとめ買いも同時に行われた。 <奥行深耕型> 購買者数は増えなかったが、1人あたりの購買量が増加した。 例)アルコール飲料は、普段から購入している人がまとめ買いを行った。   ■誰もが増税前に駆け込み購買をしたのか? ・駆け込み購買をした人は全体の4割程度。ただしこの層が駆け込み期の購買の7~8割を生み出した 通常期に比べ20%以上、購買量が増加した人を駆け込み購買者と定義したところ、そうした人は来店者の4割程度であった。ただしこの人たちが増税前4週間の売上全体の、7~8割を構成しており、このことからも駆け込み購買者への対応が重要であることが言える。 結果まとめと考察 1. 増税前の3週間で売上金額が増加。まとめ買い、大容量買いが客単価を押し上げた。 2. 駆け込み購買への備えが必要な商品カテゴリーは限られる。 3. 駆け込み購買をする人は一部だが、増税前の時期の売上の多くを占める重要な顧客である。 〈考察―カタリナマーケティング ジャパン シニアアナリスト 立石佳子〉 駆け込み購買は増税の3週間前から少しずつ始まる。特に直前週では前年比+20%以上もの変化が予想されるので、あらためて言うまでもないことだが販売側では備えが重要である。駆け込み需要の影響を受ける商品カテゴリーは前回増税時の結果から予想がつくので、各商品カテゴリーの前年同期の売上と直近週の販売トレンドが計画を立てる際の重要な資料となるだろう。増税の影響を受けやすい商品カテゴリーでは大容量商品も売れやすくなると考えられるので、品揃えを買いだめ寄りにシフトしたり、バンドル買いを促進したりすることなども普段以上に有効と考えられる。 また増税後の来店客の落ち込みに対する対策も重要である。店頭販促やイベントなど、店頭に顧客を呼び込む仕掛けが大事になってくるのではないか。今回の増税は10月ということで、ハロウィーンや、それに続くクリスマスといった季節イベントの活用も効いてくるのではないだろうか。 今回の増税では一部の飲食料品に軽減税率が導入されることから、果たして前回と同じような動きがみられるのか、または何か変化がみられるのか、追跡して結果をご報告する機会を持ちたいと考えている。

2019.8.30

代表取締役変更についてのお知らせ

カタリナ マーケティング ジャパン株式会社は、2019年8月27日付けで、花崎茂晴が代表取締役社長を退任し、シニアアドバイザーに就任いたしました。後任として、前Chief Operating OfficerであるBrett Wayn (ブレット・ウェイン)が代表取締役社長に就任いたしました。 新体制について 氏名 新役職名 前役職名 花崎茂晴 シニアアドバイザー 代表取締役社長 Brett Wayn(ブレット・ウェイン) 代表取締役社長 Chief Operating Officer オムニプラットフォームの提供をミッションとするカタリナ マーケティング ジャパン は、新体制のもと、前代表取締役社長の花崎が牽引してきた「付加価値の創造」を新社長のブレット・ウェインに受け継ぎ、リテーラー様、メーカー様、ならびに消費者の皆さまへの提供価値の向上に努めてまいります。

2019.8.9

ダイバーシティとインクルージョンを考える「The Changing Workplace」を開催しました

虎ノ門ヒルズカフェで6月20日、ダイバーシティ(diversity)とインクルージョン(inclusion)をテーマにしたイベント「The Changing Workplace」を実施しました。オーストラリア、ドイツ、台湾、そして日本から多様なバックグラウンドをもつ4人のパネリストが登壇し、自身の経験を振り返りながら、これからのWorkplaceのあり方について意見を交わしました。 ===== *1 ダイバーシティ(diversity):直訳すると多様性という意味で、ビジネスに当てはめると多様な人材を活かすこと。 *2 インクルージョン(inclusion):直訳すると包括・包含という意味で、ビジネスに当てはめると企業内すべての従業員が仕事に参画する機会を持ち、それぞれの経験や能力、考え方が認められ活かされている状態。 ===== 主催者: ・Catalina Marketing Japan K.K. スピーカー: ・Sue Gannon Division COO, Global Development, Diversity and HR Strategic Advisor / Suntory Holdings Limited. ・Markus Ruh VP of Human Resources / Adidas Japan ・Moe Nasu Managing Director / Accenture Japan ・Sean Chu Executive Advisor / Catalina Marketing Japan k.k. 司会者: ・Natsue Ishida Senior Vice President Legal & Compliance / UD Trucks and JVs #日本のWorkplaceは変わり始めている 司会者:日本の職場、もしくは様々な企業で皆さんが目にしているWorkplaceのあり方の変化について、まずは日本で複数の企業に勤務した経験があるSeanさんに伺いましょう。 Sean:ありがとうございます。まずは自己紹介をさせてください。 僕は日本で1980年代から働き始め、ダウジョーンズやソニーピクチャーズ、マイクロソフトなどでの勤務を経験し、今はカタリナマーケティングジャパンでアドバイザーをしています。日本で働く外国人である上に同性愛者でもあるので、ダイバーシティとインクルージョンという点では、当時の日本はとても厳しい環境でした。なので、日本で働き始めた当初から自分が一歩先を行く必要性を感じていましたし、企業の文化自体も変化が必要だと感じていました。 当時と比較すると、状況はとても変わったなと思います。会場の皆さんが思うほど変化のスピードは速くはないですが、変わってきていること自体が素晴らしいことだと感じています。 僕が日本で働き始めたときは、女性は職場で常に制服を着用し、お茶出しをするのは女性の役目だという、古い慣習を持った企業が多かったです。その後(法令の関係で)女性や障がい者を一定以上の割合で雇う必要が出てきましたが、大企業でさえ、そのような方たちの雇用率を達成する方法は、社内にマッサージルームを設けることでした。 現在の企業は、ダイバーシティだけでなく、特にインクルージョンに力を入れて取り組んでいます。数字上のダイバーシティを作るのは簡単ですが、インクルーシブな職場を作る方が難しいからです。日本の企業だけでなく、世界中の企業が変化を求められていて、僕がいま所属するカタリナも努力をしています。採用において女性と男性は同じ割合になっていますし、女性のマネジャーが”ガラスの天井を破る”というのは注目されるトピックとなっています。 Moe:私もSeanさんの意見に同意です。20~30年前、コンサルティングファームは、今で言うブラック企業と同じような状況でした。深夜まで必死に働いて成果を出さなければなりませんでした。ただ2006年以降の取り組みとして、パネルのタイトルと同様に、ダイバーシティやインクルージョンに着目し、さらにここ4〜5年は時間当たりの生産性に注意を払うようになりました。 その結果、女性社員の数が5倍になり、今でもさらに増え続けています。私は4つのプロジェクトを任されていますが、プロジェクトメンバーに男性はわずか1人で、他はすべて女性です。15年前はプロジェクトメンバーに女性は私1人だったので、これはとても大きな変化だと思います。 また、子育て中の女性や障がい者、LGBTの方々や親の介護をしながら働く社員にもサポートをしています。会社が方針を変えて数値目標を設け、その達成に経営陣を関与させることで、会社が変わっていい結果をもたらすと思います。 Markus:僕は20年間ずっとアディダスで働いています。皆さんと違って私のキャリアにはあまり多様性がありませんが(笑)皆さんの意見に同意します。 僕がアディダスジャパンに来たとき、たった4、5年前のことでしたが、組織における女性の割合が8%以下だったことがショックでした。また、ドイツのHQでは、40以上の国の方々が在籍していたのに、日本では外国人の数もとても少なかったのを覚えています。 マネジメントチームはそんな状況を改善するために「何年後に、女性の社員数をどれくらいにするか」といったKPIを決めて取り組み始め、現在ではその割合が20%になっています。女性のキャリア開発も同様で、女性の場合はライフステージに合わせて何が必要なのかを、企業が理解することが大事だと思います。幼い子どもを持つ女性の場合は、家族と仕事とのバランスが特に必要です。また社内で調査をしたところ、勤務時間や勤務場所の柔軟性を求める声が多く寄せられました。 それを受けて、現在では週に3日までの在宅勤務を認め、近いうちにシニアリーダーの男性が育児休暇から戻ってくるので、それを楽しみにしています。 Sue:私は日本で2年間仕事をしていますが、5年前にサントリーに買収されたジムビームに在籍していた頃も含めると、サントリーグループでは約7年間勤務をしています。私の出身はオーストラリアで、これまでに住んだことがある国は、日本、アメリカ、イギリス、ニュージーランドです。仕事ではアジアと多く関わっています。  2年前、サントリーからグループ内の教育機関「サントリー大学」に来て欲しいと依頼があったとき、興味はありましたが、条件としてグローバルダイバーシティをサントリーに求めました。グローバルスケールでは、当時サントリーがめぼしい取り組みをしていなかったからです。 あまり知られていないことだと思いますが、サントリーの社員は4万人おり、そのうち2万人が海外で働いています。ただ、世界的な企業にも関わらず、グローバルダイバーシティについてはほとんど議論も取り組みも行われておらず、私はそんな状況に対して声を挙げました。 サントリーは会社としての基本的なことは日本で行っています。毎年、新卒の社員を採用し、全社員に占める女性の割合は50%で、昇進する年齢も少し下がってきており、組織として非常にいい状態だと思います。ただ、2年前に組織が抱えていた問題は、グローバルアジェンダだけでなく、この組織で女性をどのような役職につけるか、でした。 1年前、年齢が若い女性の社員に課長や部長といったリーダーになりたいか、と聞く調査をしたところ、興味深い傾向が見られました。「はい」や「いいえ」といった答えよりも「想像できない」もしくは「分からない」といった回答が多かったことです。これを受けて、組織としてもっと年次の低い女性社員が戦略的にキャリアプランを立てられるように支援をしなければならないと感じました。 #大切なのは、無意識のバイアスを少しずつ取り除くこと 司会者:12年前に私が日本に戻ってきたときも、日本の典型的な慣習が残る金融機関で女性のマネジャーになるのが少し怖かったのを覚えています。その後慣習が徐々に改善し、日本でも社会の風潮としてダイバーシティという言葉を耳にする機会も増えました。今では、政治家でも普通に口に出していますし、大きな進歩があったと思います。 さて、ここからは各企業の具体的な取り組みを聞いていきたいと思います。アクセンチュアでは、女性をマネジャーやチーフに抜擢し、これまで以上に広い領域で活躍できるような環境を整えたとのことですが、その詳細を聞かせてもらえますでしょうか。 Moe:Sueさんが話したことは、私もとても理解できます。アクセンチュアでも若年の女性社員にリーダーになりたいかと聞いたときに「分からない」という回答が目立ちました。周囲の男性社員たちも、女性社員をサポートしたいとは思っているものの、どうサポートしていいのかが分かっていませんでした。 そんな状況で私たちが気付かされたのは、その状況が誰かに起因している、というわけではなく、一個人として向き合えば互いに理解できるということでした。性別関係なく一人の社員として、その社員の将来の可能性に向き合うようにして、無意識のバイアスをできるだけ無くそうとしました。バイアスを取り除くためにまず取り組んだのは、誰もが無意識のバイアスを持っているということを理解することでした。 トレーニングの1つとして、内容が同じ履歴書を2枚用意し、それぞれ添付する写真を変えるという実験を行いました。1枚目は年齢が若くて好感が持てる可愛らしい男性の写真を、2枚目は気が強そうでボスに向きそうな女性の写真を添付し、どちらを選ぶかを聞いたところ、ほとんどの人は男性の写真が添付されている履歴書を選びました。 ここから分かることは、顔や名前、性別を見ることによって、無意識のうちにバイアスを持ってしまっているということです。マネジャー以上の役職に就いている社員には、無意識のバイアスを意識させるというトレーニングを受けてもらい、性別や名前で判断せずに、その人のポテンシャルを見るように促しました。これ以外にも取り組んでいますが、これが最近の事例です。 Sean:無意識のバイアスには同意できます。まだ実践には至っていませんが、カタリナの経営陣とは無意識のバイアスを取り除くための2つの試みをしようと話しています。 1つ目は、マネジメントトレーニングです。マネジメントというと日本企業では「リーダーについていく」という意味であると捉えて、進捗のマネジメントに偏りがちです。ゴール思考ではなく、働き方の好き嫌いという考え方になってしまいますので、まずはその考え方をシフトすることが大切です。 2つ目は、カタリナで少し苦労している点ですが、テクノロジーの問題です。社員の多様性を認めるには、個人個人のライフスタイルやワークスタイルを認めなくてはなりません。毎朝10時に行われるミーティングに出席しなくていいのであれば、社員の誰もが、様々な場所からいつでも働けるようにしなければなりません。そのためにはテクノロジーが必要で、さらにそれをうまく管理できるようにトレーニングすることも必要になってきます。カタリナでは、今まさにその点に取り組もうとしています。 司会者:チェンジ・マネジメントというのは、興味深い課題です。Markusは日本でこのテーマに取り組んできたかと思いますが、マインドセットを変えることについて詳しく聞かせてもらえますか。 Marcus:マインドセットは企業文化から影響を受けます。ですので、企業文化に着目をしないと意味がありません。まず行うのは、方向性を決めることです。僕たちの企業には、グローバル企業としての文化があり、インクルージョンやダイバーシティはその一部となっています。日本においても、シニアのマネジメント層に向けて、どうやってインクルージョンやダイバーシティを根付かせるのかを考えさせてきました。 もちろん一人一人のマネジャーに合わせて、そのような文化の中でどう過ごし、どうリードできるかといったメンタルのトレーニングや、無意識のバイアスを取り除くトレーニングを行いました。そうしながら、社員のマインドをどう変えるのかを考えました。 企業の文化は積み重なってきたものですので、一度にすべてを変えることはできないという認識を持つことは大切です。即効性を期待する社員もいますが、少しずつ変えていく、そのための最初のステップが何かを考えなければなりません。 具体例として、社員同士の交流の方法を変えました。日本でよく見られるように、壁で仕切られたデスクが並ぶレイアウトで、オフィスでは会話がなくメールやチャットでのやり取りが中心という状況から変えたのです。現在は決まった座席配置ではなく、オフィスに来た順番で好きな席に座ることができますし、お茶を飲みながらミーティングや交流ができるスペースを用意することで、社員間のコミュニケーションが少しずつ活発になり、社員のマインドを変えることに役立っています。 #イノベーションは1人では起こせない 司会者:そのような取り組みをするには、企業文化や無意識のバイアスが障壁となりうるということですね。続いてSueさん。課題について聞かせて下さい。 Sue:ダイバーシティとインクルージョンを実現する上で、2つの障壁があると思います。 1つ目は、個人の障壁です。自分で自分を制限したり、他人を制限したりすることです。意識的であろうと無意識であろうと、誰しもが自分になんらかの偏見を持たれていると感じた経験はあると思います、これはとても意識的な偏見です。 次に、仕組みの問題があると思います。好きな席に自由に座れる環境が実現すれば、先ほどMarkusも話していたように、座席が固定されていたときのマインド、つまり勤務時間中にずっとその席に座っていないと上司に怒られるのではないか、といったマインドが無くなります。どこに座ってもいいいという仕組みにするのは、社員のマインドを変える一つの方法だと思います。 もう一つとして、リモートでの仕事を認めると、技術面で問題が出てきます。ただ、会社の方針として、リモートワークやフリーアドレスを認めるとなれば、仕事により効率的に取り組むこともできますし、その仕組みを取り入れることも容易になります。 個人的な障壁やダイバーシティやインクルーシブな考え方、会社の仕組みの問題については、色々な面から考える必要があります。最近受けた質問で「会社の制度で、社員が活用できているものと活用できていないものは何か」というものがありました。出社時間や退社時間といった柔軟な勤務制度については多くの社員が活用できていましたが、父親の育児休業制度はほとんど利用されていません。 家庭を持つこととリーダーになるためのキャリアを築くことは女性も男性も共通のコンセプトですが、男性が育児休暇を取らないのはなぜだと思いますか? Sean:同僚はこう話していました。「男性は家で子どもの面倒を見たくない」って(笑)これは冗談ですが、男性が育児休暇を取るには様々なプレッシャーがあると思います。周囲の社員が怪訝な顔をしたり、出世に響いたりするのではないかと思うからです。 Sue:それは、男性が育児休暇と取るなんてけしからんことだ、という個人的なマインドと、会社組織の文化の問題の組み合わせだと思います。ただ、それも最近の日本では変わってきていると思います。 司会者:多くの時間を割いてトレーニングをしたり社員と対話したりする以外にも、実際に座席の配置を変えるなど企業は様々な取り組みをしていますが、企業にとってどのような意味があるのでしょうか。 Markus:多様なワークフォースが在籍していれば、レベニューも知見も高まり、さらに社員間のコラボレーションレベルも高くなります。自分の周りに、様々な国籍や違う視点を持つ人がいた方が面白いですし、多くを学ぶことができます。例えば、ドイツ人は日本人とは違う考え方を持っているということに気づいて互いに尊重しなくてはなりません。これが、ダイバーシティの核となる部分です。 Moe:個性を認めるというのは、素晴らしいことです。異なる環境で育ち生活している人がたくさんいることで、イノベーションが生まれると思います。1人だけではイノベーションを起こせません。特に現代のように変化が早い時代では、異なる文化や生活習慣を経験することで、新しいアイディアが生まれ、個性やそれぞれが育ってきた環境を尊重することで、新しいアイディアやイノベーションが生まれると思います。 Sean:現在社会の経済や企業の状況は、大きく変化しています。現在見受けられる保守的な企業文化は主に製造業から生まれたものだと思います。工場のマネジャーは生産ラインを止めることができず、そのために夜勤のシフトを組まないといけません。 しかし世界経済全体はその先に向かっていて、変革の中で生き抜くには、その競争を受け入れなければなりません。どうやって人をマネジメントするか、どう優秀な人材をマネジメントするかを変えなければならないんです。 Sue:付け加えるならば、いつも考えなければならないことは、自社の製品の消費者が誰であるのか、ということです。サントリーのメインの消費者は女性です。ただ、一概に女性といっても、人種や国籍などは多種多様です。社員全員が同じ考え方をするような企業だったら、様々な嗜好を持つ消費者をどうやって引きつけて、商品を売ることができるのでしょうか。 この考え方のもとで組織は大きく変化しなければなりませんが、時間もかかりますし、簡単なことではありません。それでも変化しようとするのは、それにとても価値があるということを分かっているからです。 #職場環境を変えるために、個人ができることは何か 司会者:変化することは、企業はもちろんですが、働く社員一人ひとりにもメリットがあると思います。職場環境を改善するために個人ができることは、何でしょうか。 Sue:他のパネリストが、インクルージョンや意識的バイアス、無意識のバイアスについて触れましたが、自分をコントロールできるのは自分しかいません。自分がどんなバイアスを持っているのかに気付くのは、自分ができることの1つです。自分が持つ無意識のバイアスは何なのか、それがどのように表れてしまうのかを考えて欲しいと思います。職場で自分はどう見られているのか、他の社員をどう許容しているのかについても考えて欲しいと思います。 もちろん職場だけでなく、フェイスブックやリンクトイン、ツイッター、インスタグラムなどのSNSの意見を見ながら、周りの人たちが自分と同じように感じているのかを考えて、自分の周りにある多様性に気付くことが、自分を変えるベストな方法だと考えています。 Moe:約13年前に、私たちがダイバーシティやインクルージョンについて考えたときのキーコンセプトは「リーダー陣のコミットメント」でした。CEOやVP、ディビジョンリーダー、シニアエグゼクティブが自分たちにKPIを課しました。達成ができないものもありましたが、KPIがなければ彼らも社員も無意識のバイアスに気付くことはもっと大変だったと思います。みなさんも苦労しているようであれば、ぜひ相談してください。 Markus:個人として何ができるかという意味では、上司の指示を待つのではなく、自分自身の頭でより考えるようにならなければいけないと思います。変化を起こそうという考えが大切です。個人的には、日本ではそのような教育を受ける機会が少ないので大変だと思いますが、それによって会社も個人の能力や要望に気付くようになると思います。 Sean:個人ができること、というのは難しい問いかけですね。ただ1つ言えることは、インクルーシブになるというのは決してその人のことを好きにならなければならないということではなく、その人のことを理解して尊重するということです。それを理解することが大切だと考えています。 #オープンフロアオフィスが嫌いな社員がいたらどうするか? 司会者:ありがとうございました。ここからは、会場の皆さんの質問を受けましょう。 質問者:日本で働く外国人が増える中で、実際にどのような基準で多様性を保ちながら自社の強みを保ち続けているのでしょうか。 Markus:私たちがしているのは、人を異動させることです。世界中から日本へ異動させたり、日本の社員をアジア圏やHQがあるドイツに異動させたりします。そうすることで、社員のマインドもオープンになります。異動によって国際的なキャリアパスを提供することは、その人の労働市場での競争力維持にもなります。 Sue:サントリーは、日本国内での成長も維持しますが、国外での成長を速めています。マーカスが話したように、人の異動には私たちも取り組んでいます。特に日本人社員が海外でグローバルな経験を積んで、その経験を会社に持ち帰ることで、会社のグローバル化に貢献しています。 また、リーダーシッププログラムなど外部の感覚を社内に持ち込む人材開発の取り組みもしています。サントリーには典型的な日本の人事制度があり、離職率も非常に低いです。日本での採用は問題ないのですが、海外が問題ですね。 質問者:私のようにオープンフロアのオフィスが嫌いな人はどうしたらよいのでしょうか。 Sue:私の会社には、仕切りがある席もいくつかあります。ただ、面白いのはいつも同じ人が座っていることですね。だから大丈夫! Markus:私の会社では、フィードバックセッションを毎月設けています。順調に進んでいること、そうではない取り組み、改善した部分などをヒアリングするものですが、決定事項を実施していなければ非難される、というようなものではありません。ただ、社員にオープンフロアのいい点を理解してもらおうとはしていますが、それがすべてうまくいくとは限りません。 Sean:マイクロソフトでは社員の席の数を減らすことから始めて、社員の数に対し(固定の席を)約47%にまで減らしました。自分の席を確保したいのであれば毎日朝7時に出社をしないといけないので、どうするかは自分で選ぶしかありません。 Sue:私の会社で興味深かったのは、カジュアルな服装に切り替えることへの抵抗感がすごかったことです。フレキシブルな時間での勤務など与えられた自由は多くありますが、ドレスコードに関しては議論が激しくなりました。 Moe:私の会社は、朝早く出社した社員の100%勝ちですね。私も自分のデスクはキープしたい派ですから気持ちは分かります。ただ、席に関係なく、スラックなどのデジタルツールでも社内の他のコミュニティと繋がることはできます。チームのスタッフがどこに座っているのかを知らなかったら、ブレインストーミングなどはツール上でしてしまいます。 質問者:変化を望まない社員もいますか? Markus:新しい取り組みを始めるおよそ4~5カ月前に、これから起こる変化について説明し、何がどのように変わるのかを個別で話すこともあります。社員とコミュニケーションを密にして、何を求めているのかを感じることが大切です。 1つ学ばせてもらったのは、多くの社員が仕事に集中できる静かな環境を求めていることでした。それは、社員からのフィードバックの中にもあり、それを受けてサイレントルームを設けました。 Sean:個人的な経験から言わせてもらいますと、変化に反対する社員はいて、特に営業チームはその傾向が高いと思います。営業チームは社内よりも社外の顧客に向き合うことが多いわけですが、営業先には保守的な顧客もいるからです。ただ、レベニューも大切なので、そこは意識しないとなりません。 質問者:無意識のバイアスと関連した質問です。日本の履歴書には写真や性別、生年月日など様々な情報を記載しますが、今後それは変わる必要があると思いますか。 Moe:無記名で写真も添付せず、性別も記載せずに、その人の経験や才能で見る方が絶対いいと思います。会社独自のフォーマットを変えるのは難しいかもしれませんが、私たちの会社はそのフォーマットを変えようとしています。ゆくゆくは、それが広がっていくといいと思っています。 Sue:私もあの履歴書にはショックを受けますが、新卒採用の典型的なリクルートメントではそもそもその人ができる仕事や経験で採用しようと考えていません。その人がどんな人で、企業文化に合うかということに、ほとんどの企業は着目しているでしょう。 そう考えると、名前や性別、写真、趣味、自分がしたいと思う事などが、その人を理解する唯一の方法になります。ただ、それは私たちの会社が日本国外でしていることとはまったく別です。私たちは、仕事に対する特定の能力だけを見ています。 質問者:会社で起こる変化の大半は、特定の個人からの声や要望がきっかけとなると思います。普段は声をあげるタイプではないけれども、1つだけ内に秘めた要望があるという社員がいた場合に、そのようないわば小さな声をどのように拾っていますでしょうか。 Markus:1つは、普段からそういった要望を持った社員に声を挙げても大丈夫だと伝えることです。さらに、何か特殊な状況があるのであれば、例えば教育を受けられるようにメンターを配置します。3つ目は会社に対する社員の意見を聞くことです。四半期ごとに匿名で社員からコメントが届く仕組みを作っています。匿名の方が声を挙げやすいからです。 Moe:私の会社には、メンターとスポンサーシステムという仕組みがあります。メンターは毎日決まった社員の勤務状況を把握し、毎月もしくは隔月でミーティングをします。マネジャーがメンターになることもあります。 またスポンサーシステムは、社員個人の才能やその社員が活躍できそうなチャンスを見つけて、与えるための取り組みです。職場の環境やプライベートが影響して仕事での新しいチャンスを見つけるのが難しくなっているのであれば、サポートをします。 この2つの仕組みで、社員が取り組みたいことをできるようにサポートしています。また、これらとは別に3つのイニシアティブがあり、いずれも個人の能力に応じた役割やプロジェクトに従事できるようケアする目的を持っています。毎年、すべての社員についてプロジェクトごとの成長を把握し、個人のニーズや問題点をあぶり出しています。 パネルディスカッションも質疑応答の時間も、大いに盛り上がりました。カタリナマーケティングジャパンでは今後もこのような取り組みを通して、ダイバーシティとインクルージョンの重要性を発信してまいります。