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2019.8.9

ダイバーシティとインクルージョンを考える「The Changing Workplace」を開催しました

虎ノ門ヒルズカフェで6月20日、ダイバーシティ(diversity)とインクルージョン(inclusion)をテーマにしたイベント「The Changing Workplace」を実施しました。オーストラリア、ドイツ、台湾、そして日本から多様なバックグラウンドをもつ4人のパネリストが登壇し、自身の経験を振り返りながら、これからのWorkplaceのあり方について意見を交わしました。 ===== *1 ダイバーシティ(diversity):直訳すると多様性という意味で、ビジネスに当てはめると多様な人材を活かすこと。 *2 インクルージョン(inclusion):直訳すると包括・包含という意味で、ビジネスに当てはめると企業内すべての従業員が仕事に参画する機会を持ち、それぞれの経験や能力、考え方が認められ活かされている状態。 ===== 主催者: ・Catalina Marketing Japan K.K. スピーカー: ・Sue Gannon Division COO, Global Development, Diversity and HR Strategic Advisor / Suntory Holdings Limited. ・Markus Ruh VP of Human Resources / Adidas Japan ・Moe Nasu Managing Director / Accenture Japan ・Sean Chu Executive Advisor / Catalina Marketing Japan k.k. 司会者: ・Natsue Ishida Senior Vice President Legal & Compliance / UD Trucks and JVs #日本のWorkplaceは変わり始めている 司会者:日本の職場、もしくは様々な企業で皆さんが目にしているWorkplaceのあり方の変化について、まずは日本で複数の企業に勤務した経験があるSeanさんに伺いましょう。 Sean:ありがとうございます。まずは自己紹介をさせてください。 僕は日本で1980年代から働き始め、ダウジョーンズやソニーピクチャーズ、マイクロソフトなどでの勤務を経験し、今はカタリナマーケティングジャパンでアドバイザーをしています。日本で働く外国人である上に同性愛者でもあるので、ダイバーシティとインクルージョンという点では、当時の日本はとても厳しい環境でした。なので、日本で働き始めた当初から自分が一歩先を行く必要性を感じていましたし、企業の文化自体も変化が必要だと感じていました。 当時と比較すると、状況はとても変わったなと思います。会場の皆さんが思うほど変化のスピードは速くはないですが、変わってきていること自体が素晴らしいことだと感じています。 僕が日本で働き始めたときは、女性は職場で常に制服を着用し、お茶出しをするのは女性の役目だという、古い慣習を持った企業が多かったです。その後(法令の関係で)女性や障がい者を一定以上の割合で雇う必要が出てきましたが、大企業でさえ、そのような方たちの雇用率を達成する方法は、社内にマッサージルームを設けることでした。 現在の企業は、ダイバーシティだけでなく、特にインクルージョンに力を入れて取り組んでいます。数字上のダイバーシティを作るのは簡単ですが、インクルーシブな職場を作る方が難しいからです。日本の企業だけでなく、世界中の企業が変化を求められていて、僕がいま所属するカタリナも努力をしています。採用において女性と男性は同じ割合になっていますし、女性のマネジャーが”ガラスの天井を破る”というのは注目されるトピックとなっています。 Moe:私もSeanさんの意見に同意です。20~30年前、コンサルティングファームは、今で言うブラック企業と同じような状況でした。深夜まで必死に働いて成果を出さなければなりませんでした。ただ2006年以降の取り組みとして、パネルのタイトルと同様に、ダイバーシティやインクルージョンに着目し、さらにここ4〜5年は時間当たりの生産性に注意を払うようになりました。 その結果、女性社員の数が5倍になり、今でもさらに増え続けています。私は4つのプロジェクトを任されていますが、プロジェクトメンバーに男性はわずか1人で、他はすべて女性です。15年前はプロジェクトメンバーに女性は私1人だったので、これはとても大きな変化だと思います。 また、子育て中の女性や障がい者、LGBTの方々や親の介護をしながら働く社員にもサポートをしています。会社が方針を変えて数値目標を設け、その達成に経営陣を関与させることで、会社が変わっていい結果をもたらすと思います。 Markus:僕は20年間ずっとアディダスで働いています。皆さんと違って私のキャリアにはあまり多様性がありませんが(笑)皆さんの意見に同意します。 僕がアディダスジャパンに来たとき、たった4、5年前のことでしたが、組織における女性の割合が8%以下だったことがショックでした。また、ドイツのHQでは、40以上の国の方々が在籍していたのに、日本では外国人の数もとても少なかったのを覚えています。 マネジメントチームはそんな状況を改善するために「何年後に、女性の社員数をどれくらいにするか」といったKPIを決めて取り組み始め、現在ではその割合が20%になっています。女性のキャリア開発も同様で、女性の場合はライフステージに合わせて何が必要なのかを、企業が理解することが大事だと思います。幼い子どもを持つ女性の場合は、家族と仕事とのバランスが特に必要です。また社内で調査をしたところ、勤務時間や勤務場所の柔軟性を求める声が多く寄せられました。 それを受けて、現在では週に3日までの在宅勤務を認め、近いうちにシニアリーダーの男性が育児休暇から戻ってくるので、それを楽しみにしています。 Sue:私は日本で2年間仕事をしていますが、5年前にサントリーに買収されたジムビームに在籍していた頃も含めると、サントリーグループでは約7年間勤務をしています。私の出身はオーストラリアで、これまでに住んだことがある国は、日本、アメリカ、イギリス、ニュージーランドです。仕事ではアジアと多く関わっています。  2年前、サントリーからグループ内の教育機関「サントリー大学」に来て欲しいと依頼があったとき、興味はありましたが、条件としてグローバルダイバーシティをサントリーに求めました。グローバルスケールでは、当時サントリーがめぼしい取り組みをしていなかったからです。 あまり知られていないことだと思いますが、サントリーの社員は4万人おり、そのうち2万人が海外で働いています。ただ、世界的な企業にも関わらず、グローバルダイバーシティについてはほとんど議論も取り組みも行われておらず、私はそんな状況に対して声を挙げました。 サントリーは会社としての基本的なことは日本で行っています。毎年、新卒の社員を採用し、全社員に占める女性の割合は50%で、昇進する年齢も少し下がってきており、組織として非常にいい状態だと思います。ただ、2年前に組織が抱えていた問題は、グローバルアジェンダだけでなく、この組織で女性をどのような役職につけるか、でした。 1年前、年齢が若い女性の社員に課長や部長といったリーダーになりたいか、と聞く調査をしたところ、興味深い傾向が見られました。「はい」や「いいえ」といった答えよりも「想像できない」もしくは「分からない」といった回答が多かったことです。これを受けて、組織としてもっと年次の低い女性社員が戦略的にキャリアプランを立てられるように支援をしなければならないと感じました。 #大切なのは、無意識のバイアスを少しずつ取り除くこと 司会者:12年前に私が日本に戻ってきたときも、日本の典型的な慣習が残る金融機関で女性のマネジャーになるのが少し怖かったのを覚えています。その後慣習が徐々に改善し、日本でも社会の風潮としてダイバーシティという言葉を耳にする機会も増えました。今では、政治家でも普通に口に出していますし、大きな進歩があったと思います。 さて、ここからは各企業の具体的な取り組みを聞いていきたいと思います。アクセンチュアでは、女性をマネジャーやチーフに抜擢し、これまで以上に広い領域で活躍できるような環境を整えたとのことですが、その詳細を聞かせてもらえますでしょうか。 Moe:Sueさんが話したことは、私もとても理解できます。アクセンチュアでも若年の女性社員にリーダーになりたいかと聞いたときに「分からない」という回答が目立ちました。周囲の男性社員たちも、女性社員をサポートしたいとは思っているものの、どうサポートしていいのかが分かっていませんでした。 そんな状況で私たちが気付かされたのは、その状況が誰かに起因している、というわけではなく、一個人として向き合えば互いに理解できるということでした。性別関係なく一人の社員として、その社員の将来の可能性に向き合うようにして、無意識のバイアスをできるだけ無くそうとしました。バイアスを取り除くためにまず取り組んだのは、誰もが無意識のバイアスを持っているということを理解することでした。 トレーニングの1つとして、内容が同じ履歴書を2枚用意し、それぞれ添付する写真を変えるという実験を行いました。1枚目は年齢が若くて好感が持てる可愛らしい男性の写真を、2枚目は気が強そうでボスに向きそうな女性の写真を添付し、どちらを選ぶかを聞いたところ、ほとんどの人は男性の写真が添付されている履歴書を選びました。 ここから分かることは、顔や名前、性別を見ることによって、無意識のうちにバイアスを持ってしまっているということです。マネジャー以上の役職に就いている社員には、無意識のバイアスを意識させるというトレーニングを受けてもらい、性別や名前で判断せずに、その人のポテンシャルを見るように促しました。これ以外にも取り組んでいますが、これが最近の事例です。 Sean:無意識のバイアスには同意できます。まだ実践には至っていませんが、カタリナの経営陣とは無意識のバイアスを取り除くための2つの試みをしようと話しています。 1つ目は、マネジメントトレーニングです。マネジメントというと日本企業では「リーダーについていく」という意味であると捉えて、進捗のマネジメントに偏りがちです。ゴール思考ではなく、働き方の好き嫌いという考え方になってしまいますので、まずはその考え方をシフトすることが大切です。 2つ目は、カタリナで少し苦労している点ですが、テクノロジーの問題です。社員の多様性を認めるには、個人個人のライフスタイルやワークスタイルを認めなくてはなりません。毎朝10時に行われるミーティングに出席しなくていいのであれば、社員の誰もが、様々な場所からいつでも働けるようにしなければなりません。そのためにはテクノロジーが必要で、さらにそれをうまく管理できるようにトレーニングすることも必要になってきます。カタリナでは、今まさにその点に取り組もうとしています。 司会者:チェンジ・マネジメントというのは、興味深い課題です。Markusは日本でこのテーマに取り組んできたかと思いますが、マインドセットを変えることについて詳しく聞かせてもらえますか。 Marcus:マインドセットは企業文化から影響を受けます。ですので、企業文化に着目をしないと意味がありません。まず行うのは、方向性を決めることです。僕たちの企業には、グローバル企業としての文化があり、インクルージョンやダイバーシティはその一部となっています。日本においても、シニアのマネジメント層に向けて、どうやってインクルージョンやダイバーシティを根付かせるのかを考えさせてきました。 もちろん一人一人のマネジャーに合わせて、そのような文化の中でどう過ごし、どうリードできるかといったメンタルのトレーニングや、無意識のバイアスを取り除くトレーニングを行いました。そうしながら、社員のマインドをどう変えるのかを考えました。 企業の文化は積み重なってきたものですので、一度にすべてを変えることはできないという認識を持つことは大切です。即効性を期待する社員もいますが、少しずつ変えていく、そのための最初のステップが何かを考えなければなりません。 具体例として、社員同士の交流の方法を変えました。日本でよく見られるように、壁で仕切られたデスクが並ぶレイアウトで、オフィスでは会話がなくメールやチャットでのやり取りが中心という状況から変えたのです。現在は決まった座席配置ではなく、オフィスに来た順番で好きな席に座ることができますし、お茶を飲みながらミーティングや交流ができるスペースを用意することで、社員間のコミュニケーションが少しずつ活発になり、社員のマインドを変えることに役立っています。 #イノベーションは1人では起こせない 司会者:そのような取り組みをするには、企業文化や無意識のバイアスが障壁となりうるということですね。続いてSueさん。課題について聞かせて下さい。 Sue:ダイバーシティとインクルージョンを実現する上で、2つの障壁があると思います。 1つ目は、個人の障壁です。自分で自分を制限したり、他人を制限したりすることです。意識的であろうと無意識であろうと、誰しもが自分になんらかの偏見を持たれていると感じた経験はあると思います、これはとても意識的な偏見です。 次に、仕組みの問題があると思います。好きな席に自由に座れる環境が実現すれば、先ほどMarkusも話していたように、座席が固定されていたときのマインド、つまり勤務時間中にずっとその席に座っていないと上司に怒られるのではないか、といったマインドが無くなります。どこに座ってもいいいという仕組みにするのは、社員のマインドを変える一つの方法だと思います。 もう一つとして、リモートでの仕事を認めると、技術面で問題が出てきます。ただ、会社の方針として、リモートワークやフリーアドレスを認めるとなれば、仕事により効率的に取り組むこともできますし、その仕組みを取り入れることも容易になります。 個人的な障壁やダイバーシティやインクルーシブな考え方、会社の仕組みの問題については、色々な面から考える必要があります。最近受けた質問で「会社の制度で、社員が活用できているものと活用できていないものは何か」というものがありました。出社時間や退社時間といった柔軟な勤務制度については多くの社員が活用できていましたが、父親の育児休業制度はほとんど利用されていません。 家庭を持つこととリーダーになるためのキャリアを築くことは女性も男性も共通のコンセプトですが、男性が育児休暇を取らないのはなぜだと思いますか? Sean:同僚はこう話していました。「男性は家で子どもの面倒を見たくない」って(笑)これは冗談ですが、男性が育児休暇を取るには様々なプレッシャーがあると思います。周囲の社員が怪訝な顔をしたり、出世に響いたりするのではないかと思うからです。 Sue:それは、男性が育児休暇と取るなんてけしからんことだ、という個人的なマインドと、会社組織の文化の問題の組み合わせだと思います。ただ、それも最近の日本では変わってきていると思います。 司会者:多くの時間を割いてトレーニングをしたり社員と対話したりする以外にも、実際に座席の配置を変えるなど企業は様々な取り組みをしていますが、企業にとってどのような意味があるのでしょうか。 Markus:多様なワークフォースが在籍していれば、レベニューも知見も高まり、さらに社員間のコラボレーションレベルも高くなります。自分の周りに、様々な国籍や違う視点を持つ人がいた方が面白いですし、多くを学ぶことができます。例えば、ドイツ人は日本人とは違う考え方を持っているということに気づいて互いに尊重しなくてはなりません。これが、ダイバーシティの核となる部分です。 Moe:個性を認めるというのは、素晴らしいことです。異なる環境で育ち生活している人がたくさんいることで、イノベーションが生まれると思います。1人だけではイノベーションを起こせません。特に現代のように変化が早い時代では、異なる文化や生活習慣を経験することで、新しいアイディアが生まれ、個性やそれぞれが育ってきた環境を尊重することで、新しいアイディアやイノベーションが生まれると思います。 Sean:現在社会の経済や企業の状況は、大きく変化しています。現在見受けられる保守的な企業文化は主に製造業から生まれたものだと思います。工場のマネジャーは生産ラインを止めることができず、そのために夜勤のシフトを組まないといけません。 しかし世界経済全体はその先に向かっていて、変革の中で生き抜くには、その競争を受け入れなければなりません。どうやって人をマネジメントするか、どう優秀な人材をマネジメントするかを変えなければならないんです。 Sue:付け加えるならば、いつも考えなければならないことは、自社の製品の消費者が誰であるのか、ということです。サントリーのメインの消費者は女性です。ただ、一概に女性といっても、人種や国籍などは多種多様です。社員全員が同じ考え方をするような企業だったら、様々な嗜好を持つ消費者をどうやって引きつけて、商品を売ることができるのでしょうか。 この考え方のもとで組織は大きく変化しなければなりませんが、時間もかかりますし、簡単なことではありません。それでも変化しようとするのは、それにとても価値があるということを分かっているからです。 #職場環境を変えるために、個人ができることは何か 司会者:変化することは、企業はもちろんですが、働く社員一人ひとりにもメリットがあると思います。職場環境を改善するために個人ができることは、何でしょうか。 Sue:他のパネリストが、インクルージョンや意識的バイアス、無意識のバイアスについて触れましたが、自分をコントロールできるのは自分しかいません。自分がどんなバイアスを持っているのかに気付くのは、自分ができることの1つです。自分が持つ無意識のバイアスは何なのか、それがどのように表れてしまうのかを考えて欲しいと思います。職場で自分はどう見られているのか、他の社員をどう許容しているのかについても考えて欲しいと思います。 もちろん職場だけでなく、フェイスブックやリンクトイン、ツイッター、インスタグラムなどのSNSの意見を見ながら、周りの人たちが自分と同じように感じているのかを考えて、自分の周りにある多様性に気付くことが、自分を変えるベストな方法だと考えています。 Moe:約13年前に、私たちがダイバーシティやインクルージョンについて考えたときのキーコンセプトは「リーダー陣のコミットメント」でした。CEOやVP、ディビジョンリーダー、シニアエグゼクティブが自分たちにKPIを課しました。達成ができないものもありましたが、KPIがなければ彼らも社員も無意識のバイアスに気付くことはもっと大変だったと思います。みなさんも苦労しているようであれば、ぜひ相談してください。 Markus:個人として何ができるかという意味では、上司の指示を待つのではなく、自分自身の頭でより考えるようにならなければいけないと思います。変化を起こそうという考えが大切です。個人的には、日本ではそのような教育を受ける機会が少ないので大変だと思いますが、それによって会社も個人の能力や要望に気付くようになると思います。 Sean:個人ができること、というのは難しい問いかけですね。ただ1つ言えることは、インクルーシブになるというのは決してその人のことを好きにならなければならないということではなく、その人のことを理解して尊重するということです。それを理解することが大切だと考えています。 #オープンフロアオフィスが嫌いな社員がいたらどうするか? 司会者:ありがとうございました。ここからは、会場の皆さんの質問を受けましょう。 質問者:日本で働く外国人が増える中で、実際にどのような基準で多様性を保ちながら自社の強みを保ち続けているのでしょうか。 Markus:私たちがしているのは、人を異動させることです。世界中から日本へ異動させたり、日本の社員をアジア圏やHQがあるドイツに異動させたりします。そうすることで、社員のマインドもオープンになります。異動によって国際的なキャリアパスを提供することは、その人の労働市場での競争力維持にもなります。 Sue:サントリーは、日本国内での成長も維持しますが、国外での成長を速めています。マーカスが話したように、人の異動には私たちも取り組んでいます。特に日本人社員が海外でグローバルな経験を積んで、その経験を会社に持ち帰ることで、会社のグローバル化に貢献しています。 また、リーダーシッププログラムなど外部の感覚を社内に持ち込む人材開発の取り組みもしています。サントリーには典型的な日本の人事制度があり、離職率も非常に低いです。日本での採用は問題ないのですが、海外が問題ですね。 質問者:私のようにオープンフロアのオフィスが嫌いな人はどうしたらよいのでしょうか。 Sue:私の会社には、仕切りがある席もいくつかあります。ただ、面白いのはいつも同じ人が座っていることですね。だから大丈夫! Markus:私の会社では、フィードバックセッションを毎月設けています。順調に進んでいること、そうではない取り組み、改善した部分などをヒアリングするものですが、決定事項を実施していなければ非難される、というようなものではありません。ただ、社員にオープンフロアのいい点を理解してもらおうとはしていますが、それがすべてうまくいくとは限りません。 Sean:マイクロソフトでは社員の席の数を減らすことから始めて、社員の数に対し(固定の席を)約47%にまで減らしました。自分の席を確保したいのであれば毎日朝7時に出社をしないといけないので、どうするかは自分で選ぶしかありません。 Sue:私の会社で興味深かったのは、カジュアルな服装に切り替えることへの抵抗感がすごかったことです。フレキシブルな時間での勤務など与えられた自由は多くありますが、ドレスコードに関しては議論が激しくなりました。 Moe:私の会社は、朝早く出社した社員の100%勝ちですね。私も自分のデスクはキープしたい派ですから気持ちは分かります。ただ、席に関係なく、スラックなどのデジタルツールでも社内の他のコミュニティと繋がることはできます。チームのスタッフがどこに座っているのかを知らなかったら、ブレインストーミングなどはツール上でしてしまいます。 質問者:変化を望まない社員もいますか? Markus:新しい取り組みを始めるおよそ4~5カ月前に、これから起こる変化について説明し、何がどのように変わるのかを個別で話すこともあります。社員とコミュニケーションを密にして、何を求めているのかを感じることが大切です。 1つ学ばせてもらったのは、多くの社員が仕事に集中できる静かな環境を求めていることでした。それは、社員からのフィードバックの中にもあり、それを受けてサイレントルームを設けました。 Sean:個人的な経験から言わせてもらいますと、変化に反対する社員はいて、特に営業チームはその傾向が高いと思います。営業チームは社内よりも社外の顧客に向き合うことが多いわけですが、営業先には保守的な顧客もいるからです。ただ、レベニューも大切なので、そこは意識しないとなりません。 質問者:無意識のバイアスと関連した質問です。日本の履歴書には写真や性別、生年月日など様々な情報を記載しますが、今後それは変わる必要があると思いますか。 Moe:無記名で写真も添付せず、性別も記載せずに、その人の経験や才能で見る方が絶対いいと思います。会社独自のフォーマットを変えるのは難しいかもしれませんが、私たちの会社はそのフォーマットを変えようとしています。ゆくゆくは、それが広がっていくといいと思っています。 Sue:私もあの履歴書にはショックを受けますが、新卒採用の典型的なリクルートメントではそもそもその人ができる仕事や経験で採用しようと考えていません。その人がどんな人で、企業文化に合うかということに、ほとんどの企業は着目しているでしょう。 そう考えると、名前や性別、写真、趣味、自分がしたいと思う事などが、その人を理解する唯一の方法になります。ただ、それは私たちの会社が日本国外でしていることとはまったく別です。私たちは、仕事に対する特定の能力だけを見ています。 質問者:会社で起こる変化の大半は、特定の個人からの声や要望がきっかけとなると思います。普段は声をあげるタイプではないけれども、1つだけ内に秘めた要望があるという社員がいた場合に、そのようないわば小さな声をどのように拾っていますでしょうか。 Markus:1つは、普段からそういった要望を持った社員に声を挙げても大丈夫だと伝えることです。さらに、何か特殊な状況があるのであれば、例えば教育を受けられるようにメンターを配置します。3つ目は会社に対する社員の意見を聞くことです。四半期ごとに匿名で社員からコメントが届く仕組みを作っています。匿名の方が声を挙げやすいからです。 Moe:私の会社には、メンターとスポンサーシステムという仕組みがあります。メンターは毎日決まった社員の勤務状況を把握し、毎月もしくは隔月でミーティングをします。マネジャーがメンターになることもあります。 またスポンサーシステムは、社員個人の才能やその社員が活躍できそうなチャンスを見つけて、与えるための取り組みです。職場の環境やプライベートが影響して仕事での新しいチャンスを見つけるのが難しくなっているのであれば、サポートをします。 この2つの仕組みで、社員が取り組みたいことをできるようにサポートしています。また、これらとは別に3つのイニシアティブがあり、いずれも個人の能力に応じた役割やプロジェクトに従事できるようケアする目的を持っています。毎年、すべての社員についてプロジェクトごとの成長を把握し、個人のニーズや問題点をあぶり出しています。 パネルディスカッションも質疑応答の時間も、大いに盛り上がりました。カタリナマーケティングジャパンでは今後もこのような取り組みを通して、ダイバーシティとインクルージョンの重要性を発信してまいります。

2019.7.29

センターストア*1の活性化と差別化

売場におけるイノベーションが来店とカテゴリー別成長率を促進する *1 センターストア:ストアの中心 (来訪客を引き寄せるメイン通路(壁沿いにある売場)ではない、ストアの中心部に位置するサブ通路のエリアのこと) カタリナの新規顧客と来店状況についての調査によると: センターストアのカテゴリーは消費者一人あたり各ストアで年間60回訪れています。eコマースやディスカウントストアの躍進にもかかわらず堅調を維持しており、消費者がセンターストアを回遊する回数は、年間1回しか減少していません。 以下に示す通り、センターストアは一般的な食品スーパーにとって必要不可欠なエリアです。 ・店舗売り場構成の81%を占める ・消費者1人あたり年間60回立ち寄る ・消費者1人あたり年間平均1,408ドルの支出 ・99.5%の消費者が頻繁にセンターストアに立ち寄る カタリナの最新顧客分析によると、食料品小売店舗のセンターストアは、既存店舗からeコマースに対しての顧客の離反を防ぐうえで重要な役割を果たしています。 新しいデータを考察してみると、センターストアがまだ廃れていないことがわかります。実際、新世代の商品開発者やブランド担当者は、変化する消費者の嗜好や行動との繋がりを維持するために、センターストアを再活性化しています。また、進化し続ける消費者の購買動機が、センターストアの多岐にわたる主要な食品・飲料のカテゴリーでの購買量や回遊頻度にどのような影響を与えているかにも注目しています。 過去のカタリナの調査結果では、今や典型的な消費者は12か月間で店舗内の全ての商品のうち99%以上を目にとどめていません。そして2,700万人の消費者を対象にした調査では、同じ中身のバスケットは二つとありませんでした。新しいカタリナの調査は、今日のブランドやリテーラーが、消費者との関連性を保ち成長していくために、価格・製品の革新性・原材料・その他の要素に関して変化し続ける一連の嗜好やニーズと共に、ますます選り好みをする消費者を理解し、期待に応えなければならないということを示しています。 *この調査でのセンターストアの定義は、食料品、冷凍食品、およびホームケアのカテゴリーとして定義されています。 たばこと酒類は、各地域のの法的差異により除外されています。 急速に変化しているセンターストアでの購買行動に即応し、それをうまく活用する消費財メーカーには、ブランド構築のチャンスが存在するとカタリナは考えます。消費者の嗜好の変化に伴い、ニッチなサブカテゴリーの買い回りは増加しています。 実際、売上高10億ドル以下の小規模消費財メーカーが、現在、センターストアでの新規顧客や新規回遊の主な原動力となっています。缶コーヒーやペットボトルのようなプライベートレーベルの商品も、かつて大手消費財メーカーの牙城であったカテゴリーで売上を伸ばしています。 リテーラーのメリットとしても、新しいまたはリニューアルしたサブカテゴリーを通じて消費者の需要に対応しイノベーションを続けるとき、センターストアの売上と回遊率を伸ばす大きなチャンスが訪れます。すべてのことは消費者に関連したイノベーションによってもたらされるのです。センターストアの急成長しているサブカテゴリーと、その成長を牽引している消費者のプロファイルを見てみましょう。 このレポートの最後にある表に示す通り、無脂肪/低脂肪アイスクリームは2017年に劇的な成長を遂げました。 通常のアイスクリームとプレミアムアイスクリームのカテゴリーでは1店舗あたりの買い上げ回数と売上が減少しましたが、このサブカテゴリーでは50万回以上の新規買い上げと67%の売上増加を生み出しました。 このカテゴリーでの消費者一人当たりの平均支出は、年間21.37ドルでした。 しかし、カタリナがLabel Insight社との提携を通じて特定した、さまざまな健康関連商品のカテゴリーの購買層は、このカテゴリーにおいてはるかに購買力の高い消費者でした。 食品選びの際にオーガニック食品を求める顧客層は、無脂肪/低脂肪のアイスクリームサブカテゴリーに平均46.99ドルを使い、一方低脂肪を好む顧客層は48.87ドルを支出しました。ところが、次の2つのセグメントはこれよりさらに購買力の高い顧客層ということがわかりました。トランス脂肪酸を避ける顧客層の支出額は52.19ドルで平均の約2.4倍、そして心臓に優しい食品を好む顧客層の支出額は56.76ドルで平均の約2.7倍でした。 安価な冷凍食品はより健康的な選択肢を重視した急成長を遂げているもう1つのサブカテゴリーです。買い上げは24%増、売上は33%増加しています。消費者一人当たりの支出額はこのサブカテゴリーにおいて13.47ドルです。しかしカタリナは、消費者の購買動機を把握することによって、心臓に優しい食品を好む顧客層の支出額が43%高い19.25ドルであることを突き止めました。 ヘルシースナックは、通常のスナックのカテゴリーとは一線を画す、スナックの中で急成長しているサブカテゴリーです。 野菜や豆やバナナチップスなどがあり、健康志向の消費者にとって魅力的な選択肢となっています。このタイプの商品の1人当たりの支出額8.01ドルに対し、遺伝子組み換え食品を避ける顧客層の支出額は平均の2倍でした。 炭酸水/ソーダ水はもう一つの成長しているカテゴリーです。 このカテゴリーの消費者一人当たりの支出額は17.71ドルですが、さまざまな健康関連商品のカテゴリーの購買層は、購買意欲がより高いことがわかりました。 心臓に優しい食品を好む顧客層の1人当たりの平均支出額は35.17ドル、 低血糖の食品を好む顧客層の平均支出額は38.45ドル、 オーガニック食品を好む顧客層は35.01ドル、パレオダイエットを好む顧客層は33.77ドル、 そして遺伝子組み換え食品を避ける顧客層は平均29.48ドルを支出していました。 缶やペットボトルコーヒーのカテゴリーでは、消費者一人当たりの支出額は19.71ドルでした。 しかし、高プロテインのものを好む顧客層の支出額は54.26ドルで、今までの選択肢に取って代わるオプションとして、高プロテイン・乳成分不使用・低糖の商品を購入していました。 飴・チョコレートのプレミアム/ボックス/その他のカテゴリーでは、プレミアムチョコレートバーメーカーは、自社製品の多くを小麦やグルテンフリーとして宣伝しています。 小麦やグルテンを避ける顧客層の支出は、このカテゴリーにおいて一人当たりの消費量をはるかに上回っています。小麦を避ける顧客層は2.5倍、グルテンフリー顧客層は2.2倍以上、つまり22.27ドル以上でした。 これらの調査結果から明らかなとおり、センターストアで急成長しているサブカテゴリーは、新しく変化し続けている消費者の購買意欲に働きかけています。ブランドが真剣に考慮するべき戦略として、こういった購買意欲を共有してくれる消費者を見つけ、彼らに新しい関連商品を紹介できることが求められます。 センターストアで消費者を惹きつけているブランドとは? ロサンゼルスに拠点を置くEden CreameryのアイスクリームブランドHalo Topは、消費者の新たなニーズとライフスタイルに焦点を当てた、低糖で高タンパク質なアイスクリームのまったく新しいサブカテゴリーを展開しました。 その結果、2017年の同社の店頭売上は3倍になり、また店舗あたりの売上と買い上げ件数が劇的に増加しました。  急成長を遂げているもう1つのブランドは、炭酸水ブランドのLa Croixです。タンジェリンやココナッツといった珍しいけれどもトレンドのフレーバーで既存のカテゴリーを活性化しています。炭酸水の人気上昇は、ソーダカテゴリーの買い上げ件数が3.8%減少したことによる恩恵を受けているのかもしれません。 これらのブランドは、昨今の新しくさらに選り好みする消費者のニーズや嗜好に対応するために、リテーラーが商品戦略をシフトしているトレンドのほんの一例にすぎません。 食料品小売業がオーガニック路線へ移行していることは数字の上でも明らかです。 かつては店内に専用のセクションがあるニッチ商品として扱われていたオーガニック商品が、今では多くのカテゴリーで主力となっています。 Nielsenによると、スーパーマーケット、量販店、格安食料品店のチャネルで合わせてオーガニック支出の25%のシェアを占めており、2年前から2%増加しました。 他の2017年におけるセンターストアの急成長ブランドとして、サンタバーバラとカリフォルニアに拠点を置くリンゴ酢メーカーBragg Live Food Productsが挙げられます。 Braggは、リンゴ酢の健康効果が認知されたことから、売上が46%、来店客数が43%、購入者が41%と大幅に増加しました。 King’s Hawaiianは、代表商品のスウィートブレッドをバンズやロールなどの形にまで拡げたイノベーションにより市場シェアを5.4%高め、来店頻度も高まり、 来店当たりの売上も2.6%向上しました。 有名なセンターストアブランドの中でも、冷凍食品ブランドのBirds Eyeは、スーパーフード ブレンドという商品やSteamFreshというブランドでのUSDA(米国農務省)認定オーガニック商品などの新しいイノベーションプラットフォームを成功させました。 トイレットペーパーブランドのCharminはCharmin Essentials Softを発表して安価なトイレットペーパーのサブカテゴリーを提唱し、スープ缶などを製造・販売するCampbellはスナックメーカーSnyder’s-Lance’sの買収という新たに発表した計画と共に、センターストアのスナックの自社商品数を伸ばしています。 これらの企業は皆、センターストアの役割の変化にうまく適応し競争力を高めています。以下、センターストアで生き残るための4つの方法について解説します。 センターストアの成長するチャンス 1. 新しいものを創造する センターストアは、食料品の購買に何らか関係性が高いという以上に、食料品の購買行動において欠かせないものです。 カタリナのデータによると、店舗の外周沿いから買い物を始める消費者の99%以上がストアの中心エリアからも商品を購入しています。 しかし、データからまたわかるように、消費者は新しさを求めています。 より健康的な飲料、新鮮な冷凍食品、刺激的で新しいフレーバーなど、消費者の嗜好は変化し続けています。 2. 透明性があり特別であること センターストアは、時代に即した存在になるために、サステナブル、オーガニック、非遺伝子組み換えなどの特徴をもつ消費者の新しいニーズに対応し進化を遂げました。 これらの特徴を持つ商品は高品質という印象がますます強まり、よく高価格で提供されています。 消費者は、自身が購入する製品の中身についての透明性をますますブランドに求めています。それに応えるリテーラーとブランドは勝機を見出せます。 この調査が示すように、これらの企業は今、特定の商品属性を最も受け入れそうな消費者を特定でき、新規顧客を獲得するためにマーケティングをパーソナライズしています。 カタリナは、22,000種類の商品属性と25万種類の成分定義に関するクロスカテゴリーの嗜好性に基づいて、適切な消費者にリーチすることが可能です。 3. 陳列棚を制圧する センターストアを軽視するリテーラーは、自ら危機を招いていると言えます。 自社の独自商品がリテーラーのマーチャンダイジングミックス(商品構成)の一部を占めるようにしてください。 マーケティングパートナーと協力し、購買データを通じて新商品が消費者の変化する嗜好や購買行動をどのように満たしているかを明らかにしましょう。 4. 自社の強みを見せる カタリナの推計では、2年以内に新しく発表した消費財製品10個中8個以上が失敗します。多くが、消費者の嗜好やトレンドに関してターゲットを間違えたのかもしれません。あるいは自社のターゲットとする消費者を未だに見つけていません。 新製品やブランドは、なぜその製品が重要なのかを示せる効果的な方法を見つける必要があります。そしてそれは、消費者の購買データ活用とパーソナライゼーション、オムニチャネル広告やプロモーションを通じた、購買チャンスのある消費者の特定とリピーターへの訴求によって実現することができます。例えばカタリナのNew Product Acceleratorは、製品が各店舗に到着してから売れるまでを追跡し、成果を予測し、高度なターゲティングとパーソナライズされたキャンペーンを通じてトライアルとリピーターを増やすソリューションをブランドに提供します。 まとめ リテーラーは変化する消費者の需要に対応するため、店舗全体で商品構成を再考しています。消費者一人あたり年間60回以上回遊するというデータの通り、センターストアは再活性化の主要部分であり、またそうあるべきです。 カタリナの調査によると、食料品店での買い物バスケットの78%にセンターストアの商品が含まれています。 センターストアの強みを活かして消費者が求めるものをタイミングよく提供し、絶え間なく進化する購買行動に基づいて効果的に消費者に訴求する製品は、今後も続く食料品市場での戦いの勝者となれるでしょう。 カタリナは、適切なシーンで適切なユーザーに適切なメッセージを配信することで、消費者の嗜好や購買に深くかかわる世界初のOne to Oneのマーケティングサービスプラットフォームを開発しました。 今日、カタリナはマーケティング、テクノロジー、データの領域にまたがるサービスを提供しています。 リテーラーとブランドが購買行動について深い考察を得て、トライアル、ロイヤルティ、売上を促進するパーソナライズされたデジタルおよびインストアマーケティングソリューションと共に、世界中で6億5000万以上にのぼる消費者IDに有益な情報を提供できるようサポートします。

2019.6.26

2019年ゴールデンウィークの店舗購買動向を調査

初の10連休となる大型連休中の購買行動傾向を実購買データから読み解く SM/GMS/ドラッグストアのリテールネットワークを対象にカタリナ マーケティング ジャパン、ゴールデンウィークなど大型連休の店舗購買行動を調査 過去に例のない10連休となった2019年のゴールデンウィーク(GW)―。全国のスーパーマーケットやドラッグストアなど大型チェーン店での実購買データをもとに、連休前後および前年と比較し連休中の購買傾向についての調査を行いました。 ※調査対象となるカタリナのリテールネットワーク加盟チェーンは以下にて掲載していますhttps://catalina-jp.com/about/   調査結果のハイライト ◆GW期間中、調査対象店舗の平均売上は前年比102%と好調であった。 ◆直前の平日平均と比較して、大型連休中の売上は123%となり大幅な増加が見られた。 ◆カクテル・スパークリングワインなどの酒類やお好み焼きや焼肉のたれなどが好調であった。   2019年GWの売上実績について ◆10連休中の売上は前年に比べて102% 比較可能な店舗に限定し購買データを分析した結果、前年の同期間との比較において102%の売上増加となり、前年のGWと比べても好調な売上であったと考えられます。    ◆10連休中の売上は前週に比べて123% また、GW期間中の売上金額を前週の平日平均と比較すると123%となりました。これは連休の期間中10日間にわたり、平日の2割増しの売上が10日間にわたって続いたと考えることができ、売上に大きな影響を与えたと考えることができます。 今年のGW、特に購買された商品は何か? 〈10連休の平日比は123%〉 ◆連休前10日間とGW10日間での購買を比較し、売上比が高かった商品は? 連休前との比較で特に売上が伸びたTOP3カテゴリはカクテル類・お好み焼き/たこ焼き・焼肉のたれでした。その他マルチカップアイスクリームやジンギスカンなど、人が集まり食卓を囲むようなシーンで使われるカテゴリの売上が倍増しました。酒類カテゴリの伸びも目立ち、スパークリングワインやプレミアムビールなどハレノヒを感じさせる商品も伸びており、大型連休では日常と異なる食シーンが増えることが購買データからも推測できます。 〈考察―カタリナマーケティングジャパン アナリティクスチーム マネージャー 青山絋介〉 一般的に売上金額はお客様にお買上げいただいた回数である「来店客数」と、一回あたりのお買い物平均金額である「客単価」で構成されます。今回の分析結果では、来店客数は98.6%と減少しているものの客単価が103.5%と伸び、その影響で、売上金額は前年比102%という結果になりました。これは、お客様の来店は前年に比べて減ったものの、1回あたりのお買い物にかけるお金(費用)は、去年と比較して高かったということを意味します。 あくまで調査結果からの推測となりますが、例年よりも長かった2019年度のGW10連休は、帰省や旅行に出かけたり会社が休みになったりして、日常消費としてのスーパーマーケットやドラッグストアへの来訪にマイナスの影響が出た可能性が考えられます。これに対し、大型連休だけでなく新元号への改元ムードがあったことなどの特別感から、財布の紐を緩め、いつもと比べて少し高額な商品やもう1品の追加買いが増え、一回あたりの購買金額を上げたプラス要因となったと推測されます。今回の10連休はこれらの相反する要因の結果として、例年と比べて売上が伸びたと考えられます。 <調査対象店舗>2018年4月時点で過去1年以上営業し既存店となっている店舗を対象として、カタリナネットワーク売上実績を収集し、集計期間のすべての日に売上実績が発生している店舗に限定。(SM/GMS/ドラッグストア業態)   本リリースに関するお問い合わせ先 カタリナ マーケティング ジャパン株式会社 広報担当 メール:pr_otoiawase@catalina.com   ニュース一覧に戻る

2019.6.20

変化と選択肢の海で売上を伸ばす戦略

以下は、米国カタリナマーケティングの記事です。USマーケットにおける事例ですが、皆様の参考になるかと思いますのでご案内します。一部アメリカのサービス名称を含みますが、類似サービスは日本でもご案内できますのでお問い合わせください。 選択肢があふれる時代に、どうやって消費者を引きつけるか 消費財メーカーの売上とシェアの拡大は今まで以上に難しくなってきています。消費者は数多くの商品・購入方法の中から選択をしています。手頃に購入できる商品の充実と、即時にアクセスできるデジタルおよびリアルの購入チャネルの多様化が、ブランドが、売上獲得を目指す際の新たな課題となっています。 その結果、カテゴリ別成長率はほとんどのブランドにおいてマイナスあるいは一桁台で止まっています。消費者行動の大きな転換や即応性を備えた競合企業の躍進は、ブランドの成長にさらに大きな負担をかけています。 累計44,000店舗、5億以上の消費者IDを通じてリアルタイムで消費者行動を分析するカタリナは、ブランド成長におけるジレンマを照らし出し、その多くの要因を説明することができます。 当資料ではブラントの成長に寄与する6つのトレンドについて解説します。 1.より詳細な食品成分表記が売上を伸ばす 天然でオーガニックな原料であることを基準とした購買動機が、商品に含まれる成分に関する透明性が低い従来のレガシーブランドからシェアを奪い始めています。 最近のカタリナのデータによると、Organic Seekers(オーガニック商品にこだわる消費者)に対して、商品成分がオーガニック成分であることをより訴求しながらターゲティングすると、56%高い確率で商品を試し、購入量は150%に増加することが分かりました。   2.「新発見」を渇望するミレニアル世代 ミレニアル世代が特定のブランドに対するロイヤルティーを示すこともありますが、彼らは常に新しいアイテムやソリューションを探し求めています。実際、購買に関してミレニアル世代の69%は「刺激を求めている」と回答しており、これは食品選びにおいても同様です。 グローバルデータ社の消費者シニアアナリストを務めるメラニー・フェルゲート氏(Melanie Felgate)は、「ミレニアル世代は革新的な新アイデアに対する寛容性が高いが、これは幼少期から外国の文化や商品に触れる機会が上の世代よりも多いことを示している」と述べています。 カタリナのデータによると、一般的にわずか11%の購買者しか12か月後にロイヤルカスタマーとして残りません。売上を伸ばすためには、売上の大部分を占めるこのロイヤルカスタマーの維持・獲得が必要です。   3.モラルの高い購買目的への働きかけが重要 消費者がより倫理的・社会的意義に配慮した購買行動をするにつれて、新興企業は商品とそのミッションの双方を武器に消費者を奪い取っています。 Purpose-driven (目的主導型)であるミレニアル世代は、ブランドバリューに基づいて購買意思を決定しますが、これは前世代が従来のレガシーブランドに求めた信頼と品質にとって代わる購買目的と言えるでしょう。   4. クーポンや割引によるインセンティブは行動を変える Inmar社の調査によると、クーポンやディスカウント情報は今なお消費者行動に大きな影響をもたらしています。2017年のある3ヶ月の間にクーポンを利用した消費者の83%は、利用していない消費者より多くの商品を購入、あるいは早めに購入し、もしくはいつもは買わないブランドの商品を購入しました。 この調査結果に関して、ミレニアル世代の消費者についても同じことが言えます。ミレニアル世代のおよそ40%が週に一回は紙のクーポン券を探すと回答しており、これはオンラインでクーポン券を探すと回答した人よりも高い割合です。   5.小規模ブランドがリテーラーの棚を埋め尽くす 83%の購買行動がクーポンによって変化します 成長を目指す小規模ブランドの戦略的な優先事項は、リテールへの配荷拡大です。これらのブランドは、リテールと強力なパートナーシップを組むことで、販売量の大幅な増加に繋なげています。 米国の紅茶ブランドであるHonest Teaは、コカコーラによる買収を受けてから、展開店舗数を15,000店から100,000店まで増加させました。IRI社によると、2017年に最も売れ行きの良かった新商品200個のうち、半分の売上が$10億以下の企業の製品で、わずか2年前から大幅に増加しています。これらの急成長している新興ブランドは、リテールでシェアを維持・拡大しようとしているブランドに大きな影響を与えています。   6.プライベートブランドはもはやおばあちゃん御用達商品ではない プライベートブランド商品は長い間、ナショナルブランドに代わる低品質で安価な商品であるという印象を持たれていましたが、現在はそうではありません。リテーラーはプライベートブランド商品のマーケティングにおいてより良いブランディングと洗練性を高めることに投資を重ねたことにより、プライべートブランド商品に対して前世代のようなマイナスイメージを持たず、価値を見出す消費者を獲得しています。 Cadent Consulting Groupの調査結果によると、半数超のミレニアル世代がプライベートブランドかナショナルブランドかというだけで購買を判断するようなこだわりは持っていないと回答しています。     消費者のユニークな嗜好性を理解する ニッチ商材を扱う新興ブランドは、売上促進のために効率よくターゲット層を絞ることが大切だと理解しています。こういった施策は、新興ブランドだけではなく、大手メーカーにとっても定石です。購入動機の特定は難しいため、何が消費者の選択を分けているのか、マーケティング担当者は様々な角度から考察する必要があります。幸い、データと分析分野における新たなテクノロジーの進化によって、消費者それぞれのユニークな嗜好性を包括的に見ることが可能となりました。 また、商品ごとの購買データによって、マーケティング担当者はデータの背後にいる個人を理解し、さらに他の商品カテゴリにおいても類似の原料構成をもつ商品を購入した消費者を特定することができます。こうした購買データ分析に含まれるのは、消費者の原料レベルでの購買習慣、購入サイクル、消費レベル、さらに位置情報や人口統計と紐づけた特定のシグナルなどです。 例えば、Organic Seekers(オーガニック商品にこだわる消費者)は全カテゴリを通してオーガニック由来の原料を含む属性の商品を、そうではない商品と比べて5倍から15倍高い確率で購入します。   ターゲット層に無視させないプロモーション 明確なマーケティングアプローチで、自社の商品に然るべき注目を集めることが大切です。マルチチャネルかつパーソナライズされた販売促進キャンペーンは、サラウンド音響のように周囲へこだまする反響効果を生み出し、消費者へ深く浸透して、効率的かつ効果的に売上を拡大します。 ブリガムヤング大学(BYU)でコミュニケーション学の教授を務めるケビン・ケリー(Kevin Kelly)博士は、Forbesの記事で「様々な生活シーンやデバイスを通して消費者とコミュニケーションをとり、有益で説得力のあるコンテンツで消費者の注意を引くアプローチは、商品プロモーションの手法を変えました」と述べています。 消費者が次に買い物をしようとするそのタイミングに待機していて、彼らの欲しい商品のお得な情報を届けることが、商品の認知度・ロイヤルティー・売上の向上につながります。 たとえば、消費者が洗濯用洗剤を新たに補給しなければならない時期や、行きつけの店舗の近くにいるタイミングに合わせて広告を配信すれば、消費者とのつながりは著しく強化され、消費者とブランドとの関係性が大きく向上します。   ブランドを発見・購入・リピートするよう動機づける 消費者の嗜好性に合わせたメッセージや広告を配信することによって、ブランドの発見率を高め、トライアルへを促すことができます。しかし、トライアルキャンペーンや短期間の販促活動に重点的に取り組むだけでは不十分です。 売上の大半は一部の消費者に集中しているため、ブランドには、消費者のライフサイクルに寄り添った、効果的な戦略が求められます。 わずか11%の消費者しか12か月後にロイヤルカスタマーとして残らないことを考慮すると、購買増加と離反削減のためにターゲットを絞り消費者それぞれの嗜好性に合わせたコミュニケーションを継続することは、商品のライフサイクルを通して十分な売上高を維持するためにも必須となります。   価値に囲まれた環境を提供 デジタルと店頭でのインストアクーポンを組み合わせてプロモーションに活用すると、世帯あたりの消費金額も大幅に増加します。特に、双方のクーポンがよりターゲットを絞ったり、消費者の嗜好性に合わせて、個々の消費者の消費・購入のサイクルに基づいた最適な情報を提供できるような仕組みの場合、この増加はさらに著しくなります。 あるカタリナのケーススタディでは、デジタルメディアをインストアと合わせて活用した場合、従来のインストアクーポンのみの施策と比べ、世帯あたりの消費金額が20%増加しました (Catalina Purchase MultipliR Case Study) 。 他の施策では、オムニチャネル(デジタル・インストアチャネル)に接触したグループは、インストアクーポンのみに接触したグループと比べ、購買率が34%上昇しました (Catalina Volume MaximizR Case Study) 。   まとめ カタリナのデータによれば、消費者の新規獲得は消費者を維持する施策に比べ5倍から25倍も費用がかかります。これは、消費者維持率が2%上昇することはコストを10%抑えるのと同等の効果をもたらすことを意味します。これら全ての要因にブランドが直面する中、マーケティング担当者は消費者の維持と拡大という点で、これまで以上にターゲットを絞り、施策の効率を上げる必要があります。 市場においては新たな競合や商品・購入方法の選択肢の数々がもたらす課題もありますが、既存ブランドにもまだ勝機はあります。エモーショナルな訴求やソーシャルな手法を、より効率的でダイレクトなプロモーション方法と組み合わせることが、消費者を維持し売上を伸ばすための秘訣です。 ブランドは常に価格や取引条件を超えて消費者とのつながりを築く必要があります。消費者とブランドとの繋がりを維持しブランドを成長させるためには、ターゲットされた消費者を見分けることとパーソナライズされたコミュニケーションを継続することがこれまでにないほど重要です。 Source: Volume-Driving Strategies in a Sea of Choice and Change   

2019.6.1

「クライアントの真の課題を解決する」ミドルマンとしてもチームに貢献するイギリス出身アナリスト

イギリスから日本へ。膨大なデータとクライアントワークに惹かれカタリナへ ー これまでの経歴を教えてください。 私はイギリス人です。もともとケンブリッジ大学で日本学を専攻しており、1年間京都の大学に留学していました。日本が大好きで、働くのも日本がいいと思い、新卒で日本のIT企業に入社しました。そこでは3年半、データアナリストとしてECモールのポイントプログラムや顧客育成についてなど、社内向けの分析を行なっていました。 ー カタリナに入社した理由を教えてください。 カタリナが扱っている膨大な購買データに惹かれたからです。前職でもEコマースに紐づく膨大なデータを用いて分析していましたが、カタリナで扱うデータはさらに巨大です。また、前職は社内向けの分析だったのですが、カタリナではクライアントの問題を解決するのがミッション。そうしたクライアントワークに挑戦したいと思ったのも大きな動機ですね。 現在、カタリナで働き始めて3年目です。 案件には最初から携わり、クライアントの“真の課題”を解決する ー 現在の業務内容について、伺えますか? データアナリストとして、クライアントの課題を解決する施策を作っています。データアナリストは、社内の営業担当と連携して、どのようなキャンペーンを行うのが効率的か? クライアントの課題解決に最適な施策はなにか? 等、カタリナのネットワークである週1億トランザクションにもなるPOSデータを基に様々な視点から分析を行います。戦略的な役割を担うポジションです。 そのなかでも、私の専門は予測モデルやクラスタリングモデルの構築です。データサイエンスの複雑な分析を社内外に説明するのも得意なので、営業と同行してクライアントとお話する機会も多いです。時にはメインでプレゼンテーションをすることもあります。単に分析してモデルを作るだけではなく、クライアントの課題解決を営業担当と一緒に考えています。 ー 仕事をする上で、一番大事にしているポリシーを教えてください。 担当する案件については最初から携わることです。自分が関わる前に案件が進み「予測モデルを使うことが決まった」といわれても、本当にそのモデルを扱う施策がベストとは限りません。クライアントが真に解決したい課題を把握し、そのためにベストなソリューションを提供するのが私たちの目的です。 ただ依頼されたことをこなすのではなく、その課題を解決するためにモデルを使うのがベストなのか、あるいは別の施策のほうが適切なのではないか、というところから考えることを大切にしています。営業をはじめとして社内のメンバーはもちろん、クライアントとも直接お会いして事前に話し合い、最適な施策を考えるようにしています。 作成したモデルがワークしている時に一番やりがいを感じる ー 具体的な業務のなかで、どんな瞬間に一番やりがいを感じますか? 自分が作ったモデルがちゃんとワークしてるのが見える瞬間ですね。施策の1ヶ月後に成果のグラフをみたとき、すごく綺麗に傾斜ができていて、自分が作ったロジック通りに結果がでているのをみるとすごく嬉しいです。昨年12月に社長賞*をいただけたのですが、その案件もクライアントと何回もコミュニケーションを重ねて、最適なモデルを作り、成果を出せたものでした。 また、私は営業から聞いたクライアントのニーズをデータサイエンスチームにも伝わる形に表現するミドルマンのような役割も得意なので、うまくチーム間の連携を取ることができた時にもやりがいを感じます。特に、データサイエンスチームには日本語が母国語ではない外国籍のメンバーもいるので、英語も日本語もできる自分が役に立っていると思います。 * 社長賞:会社経営・業績にインパクトがある貢献をした社員が表彰される (7月と12月に選出) ー 今後の課題は何でしょうか? 4つあります。1つは、モデルを作る工数を自動化して効率を高めること。2つめは、分析のケイパビリティを明確にして「分析のパッケージをどう提供していくか」を考えることです。3つめは、現在カタリナはインストア領域での施策が多いのですが、これからデジタルでのターゲティングを強化していきたいと思っています。4つめは、デモグラフィックデータなどと連携し、カタリナのデータをより充実させることに注力したいと考えています。 コミュニケーション力があれば大丈夫。多彩なチームで一緒に働こう ー 分析チームの雰囲気について教えてください。 分析チームのメンバーは全員アナリストですが、デジタルに強い人、営業に近い人、モデルを作るのが得意な人等、それぞれに専門を活かして活躍しています。データ分析と聞くと理系の人たちが多いイメージかもしれませんが、実際は文系のメンバーも多いです。また、みんなユニークな趣味を持っていたりと個性的なメンバーです。もちろん服装も自由ですし、全体としてリラックスした雰囲気で仕事をしています。 ー どんな人と一緒に働きたいですか? 営業と話しあい、場合によってはクライアント先に赴くこともあるので、コミュニケーション力はとても重要です。「分析は得意だけどコミュニケーションは苦手」という人は難しいかもしれません。コミュニケーション力と分析スキルのバランスが必須ですね。 また、分析チームはカタリナの中でも多国籍です。私はイギリス人ですが、私の部下は中国人ですし、ほかにもインド人やフランス人の方がいます。これからも多様で多彩なチームを作っていきたいですね。 ー 最後に自分らしい時間や趣味を教えてください。 ほぼ毎週末、渋谷や表参道でDJをしています! アナログのレコードを千枚以上持っています。コレクターの側面とパフォーマンスの側面があって楽しいです。オーディエンスの反応を読んで次のステップを考えるので、会場の雰囲気や来場者数によって踊らせる選曲も変わってきます。そうした側面はアナリストの仕事にも通じる部分がありますね。 Data Analyst Team Sr. Data Analyst F.M.W. 2017年2月入社 「社員の声」に戻る 採用情報はこちら

2019.5.31

「ダイバーシティとインクルージョンのキートレンド」をテーマにした講演に弊社のSean Chuが登壇します。

6月20日にVenture Café Tokyoにて行われる「Thursday Gathering #60」(会場:虎ノ門ヒルズ2F)に、カタリナマーケティングジャパン エグゼクティブアドバイザーのSean Chu(ショーン・チュー)が登壇します。 「Key Trends in Diversity & Inclusion」をテーマに、以下の登壇者とディスカッションを行います。 職場で起きている変化や、企業が行っているダイバーシティとインクルージョンの取組みに関心がある方はぜひご参加ください。 ■ 詳細はこちらをご覧ください。 ■ 参加サインアップはこちら。 【登壇者プロフィール】 ・Sean Chu (ショーン・チュー) エグゼクティブアドバイザー カタリナマーケティ ングジャパン Sean さんは、カタリナでビジネス変革をデジタルリーダーに推進しています。 ・Sue Gannon(スー・ギャノン) グローバル開発部門最高執行責任者、ダイバーシティ&人事戦略アドバイザー サントリーホールディングス ・Markus Ruh (マーカス・ルー) 人事部門副責任者 アディダスジャパン ・Moe Nasu マネジング・ディレクター アクセンチュア・ジャパン ・Natsue Ishida(司会進行) 法務・コンプライアンス Senior Vice President UD Trucks and JVs

2019.5.17

顧客の離反を予測し店舗売上を維持するリテーラー様向け分析サービスのご案内

店舗での購買を中止・離脱する顧客を指し、小売業では通常、競合店へのスイッチを意味する「Loyalty Churn」(ロイヤリティ減少による顧客乗り換え)。カタリナの独自調査によると、前の6ヶ月間に来店した全顧客のうち、19%は次の6ヶ月間に再来店することなく離反しています(業界別の割合は資料を参照ください)。 離反したり購買が減少した顧客に挽回することは困難であり、業績に大きく影響する要素となります。 カタリナの「Loyalty Churn 顧客維持対策」分析の目的は、離反する可能性のある顧客をいち早く見つけ、顧客維持施策を実施することです。 カタリナは、ディープラーニングの手法を用いることで、「Loyalty Churn」を予防します。具体的には ニューラルネットワークにて離反が予想される顧客行動パターンを検出し、ラリークーポンやデジタル広告からオンラインクーポンを配布するといった施策を可能にしました。 こちらの分析事例についての資料がダウンロードいただけます。是非この機会にご参照ください。 資料はこちらからダウンロード

2019.5.7

週1億件、日本全国10000店舗のリアルタイム購買データが織りなす新しい可能性 〜カタリナが目指す、リテーラー、メーカー、消費者が三方よしとなる次なる世界とは〜

米国フロリダ州に本社を置くカタリナマーケティングは、1999年に日本でサービスを開始して以来、消費者の購買行動に即したクーポン施策で企業のマーケティング活動を支援してきた。2018年4月に花崎が代表に就任し、現在は、膨大な購買データを活用したデジタルソリューションの提供を加速させている。オフラインの購買データとオンラインの世界を繋ぐことによって実現するのが「CATALINA 360」- 生活者を360度でカバーするオムニチャネルマーケティングだ。カタリナがこの「CATALINA 360」をどのように推し進め、お客様に提供できる価値をどのように高めてきたか。就任から1年を経て、花崎に話を聞いた。 カタリナの強みは「膨大なデータ量」と「データのリアルタイム性」 総合商社在籍時から、米国のインターネットプロバイダやアフィリエイト事業の日本進出に携わってきた花崎。米国駐在時にはデジタルビジネスやIoTへの事業投資を担当し、帰国後はアドテクノロジー事業を拡大する米国企業の日本法人代表を務めた。20年にわたり様々な角度からデジタルマーケティング業界を見てきた花崎は、カタリナへの参画を決めた理由について「個人情報を取得することなく購買データから消費者のインサイトを分析し、さらに顧客セグメンテーションやターゲティングによってオン・オフ様々なチャネルを通じリアルの購買行動に直接影響を与えることのできる唯一無二の企業だと感じた」からだと話す。 しかし、POSデータを活用したデータマーケティングサービスを提供する企業は、国内だけを見ても決して少なくない。花崎がカタリナを唯一無二の企業と言い切る根拠はどこにあるのだろうか。 その一つが圧倒的なデータ量だ。カタリナは日本全国の店頭レジを通じて、1週間で1億件の購買データにリーチする。1億件の購買データからは、全国レベルでの新商品の販売動向や、地域別の購買動向比較といったマクロ的分析を通じて販促施策提案を行うことができる。また、アクティブID数(※直近1ヶ月にレジ通過したFSPカードを持つユーザー数)は4,700万人に及び、各IDに対して2年間の購買履歴データを保存していることから、消費者の嗜好性やライフスタイルに応じたターゲティングも可能になる。 これを可能にしているのが、日本進出以来約20年をかけて築いてきたリテーラーとのネットワークだ。日本全国で約10,000店舗の食品スーパーやドラッグストア、コンビニエンスストアといったチェーン企業と提携し、メーカー原資によるクーポンを通じて、メーカーとリテーラーをつなぐプラットフォーマーの役割を果たしている。 さらに、「量」だけではない強みが、データのリアルタイム性にある。「ある程度まとまった期間の購買データや一定数のパネルを対象にした購買データを購入・保有し、それを元にデータマーケティングサービスを提供する企業は多くあります。しかし、週1億件の購買データを「フロー」として分析し、ソリューションを提供・提案できる企業はカタリナの他にありません」と強調する。 ビッグデータを活用した分析・提案サービスが顧客に新たな付加価値を与える カタリナはこれまで、このビッグデータをインストアクーポン施策に活用してきた。POSデータに基づいてターゲティングされたレジ・クーポン®が、クライアントであるメーカーの販促施策を支援する仕組みだ。レシートに直接印刷される一般的なクーポンとは異なり、カタリナがレジ横に設置した専用のプリンタからカラー印刷で発行されるレジ・クーポン®は、視認率が90%に及ぶ(※自社調べ)パーソナライズドメディアであり、他にはない消費者とのタッチポイントとして、のべ250社以上のクライアントに活用されてきた。 こうした実績から、これまで「クーポン会社」と一言で表現されることの多かったカタリナだが、花崎は「もちろん紙のクーポンは今後も、カタリナが提供する重要なチャネルの一つであり続けます。ただ、カタリナのコアのバリューは、クーポン施策にはとどまらないということです」 「私もカタリナに参画するまでは、ビッグデータの価値に魅力を感じながらも、ビジネスモデルとしてはやはりクーポン主体なのだろうと考えていました。しかしいざ入社してみると、いい意味でのギャップ、つまり新しいポテンシャルが様々にあることを知りました」 花崎が「ポテンシャル」と表現する一つの価値が、ビッグデータを活用した分析・提案サービスだ。例えばメーカー向けには、過去の同カテゴリの膨大な販売データを機械学習した上で、対象となる新商品発売後わずか5週間の売上データから、その先1年間のパフォーマンスを予測する「New Product Accelerator」という新ソリューションを提供している。一方、リテーラーに対しても、顧客の購買行動のビッグデータ分析から、離反する可能性のある顧客をいち早く見出し、スタンプラリークーポンを発行して顧客離反を未然に防ぐといった、顧客ロイヤリティの維持対策を支援するソリューションなどの提供を開始している。 「こうした分析・提案サービスは価値提供の一例ですが、我々の今後の方向性として、データを様々な角度から分析、活用することにより、カタリナがお客様、すなわちメーカー、リテーラー双方に販促以外の新たな付加価値を提供していくという点が挙げられます。これまでのクーポン施策はマーケティング用語でいうところの<Below the Line>、販促活動に該当するものでしたが、これからは <Above the Line>、いわゆるAwareness(認知)やAcquisition(獲得)と言った販売前の施策と連携できる可能性も生まれます。お客様のマーケティング施策全体に貢献できるポテンシャルを、カタリナは持っているのです」 日本独自に提供を開始しているオムニチャネル施策として、メーカーやリテーラーが運営するオウンドメディア(自社メディア)への会員獲得ソリューションがある。ターゲティングしたい消費者にオフラインのレジ・クーポン®を通じ、オウンドメディアへの送客を実現するソリューションだ。単にオウンドメディアのユーザーを拡大するだけでなく、ID-POSデータとの紐つけが可能なことから、オウンドメディア接触後の実購買への影響も測ることができる。 プラットフォーマーとしての役割 一方で、こうしたポテンシャルが広く認知されているとは言い難い現状も花崎は冷静に見つめる。「私たちが扱っているデータは、あくまでもお客様(リテーラー)からお預かりしているものです。こうしたカタリナの新しい価値を今後対外的に広く発信していくと同時に、データを供出いただいているお客様に対しても同様の価値を提供し、共に進んでいくという姿勢が重要です」 メーカーとリテーラー双方への提案を表裏一体の価値として共有したいという思いは、社内の組織横断プロジェクトにも発展した。長年、リテーラーに向き合う部門とメーカーに向き合う部門は縦割りの状態が常態化し、いわゆる“サイロ化”が顕在化しつつあった。生活者への360度(=いつでも、どこでも)のバリュー提案を双方共通の価値として優先させる「CATALINA 360」というビジョンの下、社内横断的なコミュニケーションの活性化と、組織・企業風土の改善活動が始まっている。 「まず私達社員自身がカタリナのバリューを理解して再定義し、クライアントのニーズに応じた多様なソリューション提案ができるようにスキルアップするところから始める必要があります。従来のカタリナと今後のカタリナが持つポテンシャルには、いい意味でそれほどの乖離があるのです。見方を変えると、社員にとっても大きな可能性があるということですね。また、典型的なビッグデータ(POSデータ)を扱える点では、データ技術者にとっても魅力的な環境と言えるでしょう」 20年にわたりデジタルマーケティング業界を見てきた花崎は、カタリナのバリューについて最後にこう強調した。 「カタリナは、リアルタイムのビッグデータを介した、リテーラーとメーカーをつなぐ真のオムニチャネルプラットフォーマーを目指します。そしてこのプラットフォームに参画する企業が増えていくこと自体が、リテールマーケティング全体の発展にもつながると考えています。リテーラーとメーカー、そして消費者にとって三方よしの世界を実現するのが『CATALINA 360』の目指すビジョンであり、プラットフォーマーであるカタリナの役割です」

カタリナでマーケティング施策を最適化