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ビッグデータの力で“消費者”を“購買者”へ
「CATALINA360 – Data Drive Marketing & Digital Transformation」(前編)

2019.9.20

910日に、カタリナ マーケティング ジャパンのコーポレートイベント「CATALINA360 – Data Drive Marketing & Digital Transformation」を開催しました。消費者の生活シーンを360°で捉えるオムニチャネルのマーケティングソリューションについて、最新情報と知見を共有するこのイベントに、今年もリテーラー各社様、メーカー各社様、そしてパートナー企業様から200名を超える皆さまにご参加いただきました。

 

CATALINA360 Brett Wayn

基調講演のゲストスピーカーに株式会社クー・マーケティング・カンパニー代表取締役の音部大輔氏をお迎えしたほか、カタリナ本社よりCMOCROが登壇し、マーケティングの最新事情や海外の先進事例などをご紹介しました。また、冒頭では今年8月に弊社代表取締役社長に就任したBrett Waynよりご参加いただいた皆さまへの感謝をお伝えするとともに「人材不足に直面しながらサービス品質を守るリテール業界を、クーポンだけではない多様なマーケティングソリューションで支援していきたい」と、新体制で一層の付加価値をご提供していく決意を申し上げました。このレポートでは、前後編の2回に分けて、当日の講演内容をダイジェストでご紹介します。


Session1:Catalina in Digital Economy
Catalina Marketing CMO, Marta Cyhan

昨今、ブランドと消費者をめぐる環境は破壊的ともいえる変革を迎えています。消費者にとってパーソナルかつシームレスな購買体験が不可欠となる中、企業が取り組むべきことは何でしょうか。

一つ目は、デジタルサービス機能の強化です。米国の調査によると「実店舗における1ドルの消費のうち56%がデジタル上でのインタラクションの影響を受ける」ことが明らかになっています。世界のリテールセールスの90%がいまだに実店舗で行われていることを考えると、デジタルでの取り組みがリテーラーにとっていかに重要であるか、そして購入プロセスにおけるオムニチャネルのアプローチが求められていることが分かります。購買体験に対する消費者の期待値が上がる中で勝ち進んでいくのは、こうした取り組みによって品質と価格の組み合わせを最適化できるリテーラーでしょう。

CATALINA360 Marta Cyhan

日本のリテーラーは人手不足という特有の問題を抱えていますが、利便性の高さや”面白さ”、シームレスであることなど、購買体験へのニーズは高まる一方です。それに応えるためにカタリナはマーケティングのためのエコシステムを提供し、ソリューションを進化させています。

具体的には

■ 予測モデリングとAI
■ カスタムオーディエンス&セグメント
■ メディア&エンゲージメント
■ 効果測定&アトリビューション

などの機能を提供し、企業がカスタマージャーニーを通じて消費者との関係を最大化するためのカタリストとなることを目指しています。

これまでのカタリナは、店舗内に特化して紙のクーポンを出し、購買後の結果を分析することによって企業のマーケティング施策を支援する企業でした。しかし今後は、オンラインとオフラインをまたぐオムニチャネルで消費者の購入前・後の行動に働きかけ、さらには予測モデリングでマーケティング施策への予見を提供する、デジタルプラットフォーマーへと変革しています。


Session2:データ・ドリブンなマーケティングで考えるべきこと
株式会社クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役 音部大輔 氏

CATALINA360 音部大輔

データ・ドリブン・マーケティングが台頭する中でも、変わるものと変わらないものがあります。

変わらないものは「マーケティングの役割」「消費者中心の思想」、そして変わってきたものは「消費者のデジタル化」「複数パートナーとの協働」という側面です。

変わらないものの一つである「マーケティングの役割」とは何でしょうか。日本マーケティング協会が定義する文章からさらにエッセンスを抽出し、音部氏は「マーケティングとは市場創造である」と表現します。新市場の創造や既存市場の再創造の時に何が起こっているかをさらに掘り下げると、市場創造とはつまり「『いい〇〇』の定義が変わる」こと。例えば自動車市場の変遷は「いい車とは何か」の変遷とイコールであり、「みんなで乗って楽しい車」が好まれた時代から、現在は「環境負荷の低い車」が「いい車」となって、新たな市場を創造しています。

もちろんこうした変化は消費者が受け入れて初めて市場となるものですが、音部氏は「消費者自身はここまで明確に定義しない。マーケターが提案し、受け入れられたときに時代を変えられる」と説明。広告施策や新商品などはあくまでも手段であり「『いい〇〇』の定義を変える」ことこそがマーケターの役割であると強調しました。

あらゆるビジネスで重要な「ユーザー理解」

マーケターの役割と同じように、デジタル化が進む中でも変わらないのが「消費者中心の思想」です。皆さんは自社商品のターゲットを設定する際、どのようなユーザー像を掲げるでしょうか。年代と性別による切り分け方をよく見かけますが、年代と性別が共通していても、実は嗜好や行動の傾向の共有度合いは低いと言われています。

例えば20代女性をターゲットにする場合、フォーカスすべきは20代の女性であるという事実ではなく、「なぜ20代女性をターゲットにしようと思ったのか?」という属性です。ターゲットにしたいと考えた理由は、人生経験の少なさか、これからの人生の長さか、収入が少ないところか、デジタルリテラシーが高いところか。また、同じ一人の女性でも、子、母、妻といった「自我」に着目することも重要です。自我は他にも「過去に立脚した人か」「未来志向の強い人か」など無数の切り分け方がありますが、どの自我が表出しているかによって、同じ棚の前に立っても選ぶものが変わります。

ユーザーを理解するために、接点間の連携を設計する

一方で、変わったことの一つに「消費者のデジタル化」があります。マーケターにとってのポイントは、消費者が単にデジタルコンテンツに触れるようになったことではなくそれを計測できるようなったこと、そして計測したデータによって「枠」ではなく「消費者」をターゲットとしてコンテンツを配信できるようになったことにあります。

この変化にともない、パートナーとの協働も、マーケティング活動の重要なファクターになりました。新興テクノロジー企業が勃興し、DMPCDPMAAIといった新しい技術が生まれる中、消費者接点の多様化をカバーする外部パートナー企業との連携は、マーケターにとって重要な選択肢になっています。マーケティングの役割は変わらずともデータを通してその活動は変わり、ユーザーを理解するために接点間の連携を設計することが重要になってきているのです。

無駄なトライアルは「がっかりするユーザー」を生む

音部氏の2つ目のトピックは「リピートにつながらないトライアルに意味はあるのか」。これまでのマーケティングでは、まずトライアルで広く認知を取り、そこから購入意向、購入、使用、再購入、口コミというファネルに沿って、下段へ遷移する際にいかに多くの人を残すかに主眼を置いていました。

しかし消費者のあらゆるデータを計測できるようになった現在、ファネルでいうと最下段にあたる「口コミ」を起点とした「エレベーター型」の手法が注目されています。口コミを広げてくれるロイヤルユーザーの姿を捉え、その人たちと似た人たちのトライアルを取ることができれば、そのまま購入やリピート購入に繋げられる可能性が上がるためです。先ほどの例とは対照的に、ファネル上段の無駄な獲得を減らすことによって変数係数を高めようという取り組みですが、これには「無駄な獲得を減らすことによって、(期待値と体験のギャップに)がっかりするユーザーを減らす」という大きなメリットもあります。

ユーザーを理解するために、接点間の連携を設計する

エレベーター型の施策においてロイヤルユーザーを知るために重要なのが、購入データの質や連携性です。マーケティングの役割は変わらずともデータを通してその活動は変わり、ユーザーを理解するために接点間の連携を設計することが重要になってきていると前述しましたが、この「接点間の連携を設計する」というのが、これからのマーケターに必要な技術になります。

多くのマーケターは消費者との接点を理解する道具としてカスタマージャーニー・マップを作成しますが、これは言うなれば「今ある活動の記述」であり、商品カテゴリごとのユーザー行動は設計できても、ブランドマネジメントを完結させることはできません。アル・リースとジャックトラウトは共著の中で「マーケティング活動の本質はパーセプション(知覚・認識)である」と記述しましたが、カスタマージャーニ・マップに対してパーセプションフロー・モデルという考え方があります。これは、消費者の認識変化を示した設計図、つまり「消費者にどういう認識変化をもたらしたいか?」を4PProductPricePromotionPlace)全域の行動デザインに落とし込んだものです。このパーセプションフロー・モデルによってマーケターは、マーケティング活動の全体を設計し、目的に即して新しい技術やデータを使うことができるようになります。

以上

カタリナでマーケティング施策を最適化