CATALINA 360イベントレポート(後編)

2018.10.24

ビッグデータ×実購買データで変革する、
データドリブン・マーケティングの世界

9月19日に実施した「CATALINA360」のレポート後編は、代表取締役社長の花崎による、カタリナの新ソリューション発表の内容をお伝えします。

独自のネットワークを活かし、新たな付加価値の提供を実現

冒頭の挨拶で花崎は、今回のイベントを開催した背景として「消費者の購買行動やメディアとのタッチポイントが急激なスピードで変わっていく中、独自のプラットフォームを築いてきた企業として新たな付加価値を提供したい」という思いを語りました。カタリナは全国の大手GMSやドラッグストアなど約1万店舗、約6万台のレジに専用プリンターを設置し、毎週1億トランザクション以上のレジ通過者へ「レジ・クーポン®」を直接配布できるプラットフォームを有しています。これまでは、このプラットフォームを活用したターゲティングによって認知率の高い広告施策を支援してきましたが、これからは「外部のデータを掛け合わせることによって来店前の消費者にもリーチし、”購買以前”の行動にも働きかけていきたい」と花崎。講演では、リテーラー様とメーカー様それぞれに向けて、カタリナが実際に提供を開始するソリューションのご紹介という形で、このビジョンを具体的に説明しました。

「顧客離反」には事後の対策ではなく、予防が重要

まずはリテーラー様に新しい付加価値をご提供する「ロイヤリティ・チャーン(顧客維持対策)」です。ロイヤリティ・チャーンとは、ロイヤリティの減少により顧客が店舗での購買を中止・離脱してしまうことを指し、小売業では通常、競合店への乗り換えを意味します。これに対してカタリナは、独自のプラットフォームで蓄積した購買行動データを活用し、離反する可能性のある顧客をいち早く見つけることによって、顧客維持戦略の実施を支援します。

ソリューションの紹介に先立って顧客維持の重要性についてお伝えするために、離反率に関する次のようなデータをご紹介しました。

まず、離反率はこのような式で定義されます:

離反率=離反顧客 / 全来店顧客

カタリナが実施した調査では、調査期間前半の6カ月間に来店した全顧客のうち19%が後半の6カ月間に再来店せず、離反率は19%となりました。この離反した顧客による前半6カ月間の売上1,236億円(売上全体の約5%)は、後半6カ月間では機会損失となります。離反率を下げることが小売業のビジネスにとっていかに重要か、一目瞭然となる数字です。

*集計対象期間:前6カ月:2017年7月-12月/次6カ月:2018年1月-6月

 

<離反顧客のイメージ。19%の顧客が、後半6カ月で来店しなくなってしまっている>

また別の切り口で見てみると、1回当たりの購買額が高く来店頻度も安定している「優良顧客」は、人数にして全来店者の約25%ですが、売上全体では70%を占めていました。優良顧客の離反は少数であっても売上に大きなインパクトをもたらすことが分かります。

こうした離反行動の特徴として花崎は「挽回することの難しさ」を指摘し、事後の対応ではなく、予防こそが重要であると強調しました。

離反の可能性が高い顧客を予測するカタリナの新ソリューション

カタリナが新たに提供するソリーションでは、これまで蓄積した購買行動データをディープラーニングの手法で解析することによって離反前の行動パターンを特定し、離反の可能性が高い顧客を予測。離反する可能性に応じてターゲットとする顧客をセグメントし、有効な施策を打つことができるようになります。

予測の結果は施策の対象人数(規模)によって異なり、次のように算出しています。

<離反顧客の10%を対象とする場合>

•   精度:85%

•   捕捉率:28%

→ 精度は高いが、離反会員の一部しか補足できない

<離反顧客の30%を対象とする場合>

•   精度*1:65%

•   捕捉率*2:64%

→ 精度は下がるが、より多くの離反会員を補足することができる

*1 精度(Precision) =施策対象となっている顧客数のうち、実際に離反した顧客数の比率

*2 捕捉率(Cover) = 実際に離反した顧客数のうち、施策対象となっている顧客数の比率

 

<精度と捕捉率の関係性>

この予測を活用した離反防止のための具体的な施策には、複数回の来店を促すラリークーポンの配布や、デジタル広告から誘導したLP上での限定オンラインクーポン配布などが挙げられます。花崎はこうした具体例を紹介し「 そのリテーラーが有する、年齢や性別などの顧客属性データなどを追加分析することによって、さらに効果的な予測が可能になる」と、異なる種類のデータをクロス分析する重要性を強調しました。

 

<複数回の来店を促し、離反を予防するクーポン施策のイメージ>

機械学習によって新商品の売上を予測する
「New Product Launch」

続いて、メーカー様向けに新しい付加価値をご提供する「New Product Launch(新製品売上予測プログラム)」をご紹介しました。

小売店で店頭に並ぶ全商品のうち、新商品の数は20%、売上では12%を占めるとされています。一方その定着は非常に困難で、「棚落ち*3」してしまう新商品の割合は67%です。新しく発売した商品を棚落ちさせることなくいかに定着させるかということが、メーカーにとって売上に直結する重要な課題であることが分かります。

*3 棚落ちの定義 : 発売52週後の販売店舗数が10店舗未満

こうした課題に対してカタリナは、新商品発売後5週間の売上データから、機械学習に基づき、その先1年間のパフォーマンスを予測し、新商品の発売動向を予測、モニタリングできる3種のサービスをメーカー様向けに開発中です。

<最初の5週間の初動データをもとにした機械学習に基づく「予測」と、「現実」のデータの差異>

 

提供を予定する3つのサービスは以下の通りです。

Predictor:ブランドの初年度の売上パフォーマンスを予測する独自のモデルによって、新規購買者とリピート購買者を、リアルタイムに適切なメディアで獲得することができます。また、この予測モデルでは、競合ブランドの売上をベンチマークとして比較することも可能です。

Tracker:次のような詳細のインサイトをご提供します。

   •  販売の間口と奥行きの競合比較

   •  累計トライアルと1店舗あたり平均週販

   •  リピート率の増加とリピートの奥行

   •  ブランドとカテゴリーの売上元と売上増  

Accelerator:新商品の発売に合わせ、機械学習に基づくセグメントやモデリングベースのターゲティングをチャネルを横断して可動させ、適切なメディアプランによってトライアルとリピートの最大化を推進します。

一方通行のソリューションから、ループで続くキャンペーンの最適化へ

過去のカタリナは、店舗内というクローズドな世界で独自のプラットフォームを築き、紙のレジ・クーポン®というダイレクトなソリューションを提供することで価値をご提供してきました。しかし、そのプラットフォーム上で蓄積した膨大な購買行動データを様々な形で活用することによって、これからは消費者のあらゆる生活シーンをタッチポイントとして捉える「360°生活者プラットフォーム」をの構築を目指します

<提供価値の変化イメージ>

<提供価値の変化イメージ。「一方通行」から「ループで続く最適化」へ>

Find:ネットワーク外の消費者へのアプローチ

Understand:機械学習やディープラーニングを活用した分析・予測モデルによるインサイトの把握

Engage:店頭からモバイルまでをつなぐオムニチャネル体験

Measure:MTA*4による、オフライン / オンラインを横断した効果検証

*4 Multi Touch Attribution – 各種マーケティング施策に対する消費者のリアクションを計測する手法の一つ

このプラットフォームの強化に欠かせないのがオンラインパートナー様の存在です。今後は独自の分析ソリューションやプラットフォーム、メディアといったオンラインのビジネスアセットを有する企業様とも積極的に連携し、リテーラー様、メーカー様へご提供する付加価値を高めるとともに、リテールマーケティングの世界全体の加速に貢献してまいります。。

最後に花崎は「これまで店頭のレジ・クーポン®をプラットフォームとしてメーカー様のキャンペーンを中心に価値を提供してきたカタリナですが、今後はリテーラー様への新たな付加価値の提供を強化し、またパートナー様との連携によるシナジーを通して、最終的に消費者の購買体験を最適化する、『Catalina360』の世界を実現してまいります」と、新たなカタリナの姿を強調。リテーラー様とメーカー様、パートナー企業様、そして消費者にとって新たな価値を創造する企業となることをお約束し、講演を終えました。

 

CATALINA 360イベントレポート(前編) デジタルマーケティングとリアル店舗の消費行動をつなぐ、360生活者プラットフォーム

カタリナでマーケティング施策を最適化