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全社員リモートワーク100%を実現するために。そして継続するために

2020.6.18

コロナウィルス感染が拡大し、全世界的に外出自粛勧告が出される中、各企業・施設がテレワーク対応を余儀なくされました。しかしながらその導入には業務への影響を含めさまざまな課題があり、支障なく100%実施できているケースは多くないと聞いています。

そんな中、アメリカ本社、日本オフィスをはじめグローバル拠点の契約社員、正社員などを合わせた数百名の社員を抱えるカタリナマーケティングが、1カ月弱の短期間で100%全社員のテレワークを実現できていることは、レアケースに入かと思います。

今回は、その100%テレワーク(リモートワーク)を実現するまでの経緯と、実現してみた結果何が起きたのかを、プロジェクトの中心となった、管理部門、TECH部門のSTAFFの方々にインタビューしたものをまとめました。

参加メンバー:
大湯 静香: Senior Manager, HR & GA
榊原 福記:Vice President, Finance & Legal
高橋 俊仁:Director, Technology
ナン キアヌ:Director, Marketing PR

聞き手:
武田 由紀:PR


リモートワークに対する考え方が育っていた

聞き手:
今回、短期間で100%テレワークを実現できたのは、どういった経緯だったのでしょうか?

高橋:
特に以前から緊急時対応を意識していたというわけではなく・・・
元々カタリナは、様々な場所、環境で仕事をするグローバルスタッフを抱えているため、VPN対応など外から仕事しようとすればできる環境であったということがあります。
それでも実際にテレワーク、オフィス以外の場所で業務を行うには、サーバーアクセスやコミュニケーションなどの課題も多く、一部のスタッフのみが限られた用途で利用する(できる)といったものでした。

大湯:
2年ほど前に、「育児や、介護を行う社員がそれぞれの事情があっても働きやすい環境を作るためには、どうしたらいいか?」といったことを会社として考える機会がありました。
当然のアイデアとして「ワークフロームホーム」があがり、まずは数名の社員にパイロット対応を依頼、実施しています。
そのときは、業務内容やチームによる仕事の進め方などから、全部門で導入するには課題も多く、難しいという結果となり、「できる部門は部門長判断にお任せします」といったふんわりした感じでクローズしました。

昨年、全社のコミュニケーションの質を上げ士気を高めるために実施した「クライメイトプロジェクト」の中でヒアリングしたアンケート結果でも、ワークフロムホームへの関心が高かったことから、改めて全社で実施する方向でトライしようという流れになり、まずは全部門で月2回の実行を試みましたが、その時も回答率、実行率があまり芳しくなく・・・。
環境(ハード面)の手配や業務ルールの変更など、課題を解決する工数に対してそこまでプライオリティが高くないという意見が多く、全社導入は保留となっていました。

高橋:
首都圏エリアの混雑、通勤時の電車の混乱などが予想された、6月に開催されるはずだった東京オリンピックの時期に向けて、「ちゃんと導入できるようにしておこう」という流れもありました。
準備段階としてヘッドセットを社内に配ってみたりもしました。
結果として、それを前倒しした感じとも言えますが、今回の非常事態を受け、一気に全社で「やっぱりやらないと」という感じになりました。

聞き手:
段階を踏んで、「やりたい」「やった方がいい」という雰囲気、ベースが全社でできあがっていったということですね。何度かのトライがあったから、本気になった時に「ちょっと伸び伸びになっていただけ」という感じでスピーディに導入できたと。
では具体的に、導入に際してハードルになったこと、苦労したポイントはどこでしたか?

高橋:
まず、ハード面がありました。クリエイティブチームなどはグラフィック用の特別スペックの大型モニタや機材を使っていたので、自宅では難しい作業があったり。またネットワーク環境面でも大変でした。部門によってはボリュームの大きいデータを常時取り扱う必要があって、それをオフィスほどの太い回線がないテレワーク環境では実施が難しいのでは、というのがありました。また自宅のネット回線が遅いとか、そもそもインターネット回線がないです、というのもあり、ほんとうに短期的な対応は大変でした。
モニタ類は一部例外的に持ち帰ることを許可して対応しましたが、通信環境についてはなかなか大変でしたね。短期的には貸し出していたWiFiルータをお互いのチームメンバーで融通しあってもらったり、最後はレンタルWiFiとかでしのいでもらったり。
それと並行して、会社携帯のSIMをより多くのデータ量を扱えるプランに早期に切り替えつつ、配布対象範囲を広げながら配布していくことで、次第に落ち着いていきましたが、開始した当初はほんとうにクレーム、相談の嵐でした。

榊原:
ファイナンス部門はまず、お客様の協力を得るところが大変でした。
お客様から、どうしてもフィジカルな請求書がオフィスに届いてしまうとか、契約書への捺印問題とか。現在、請求書については、徐々にPDF対応を進めています。
当初は、誰かが代表してオフィスに出社し、「各請求書をPDF化して関係者に共有展開する」という作業をしていました。今は、お客様側も同じ自宅待機の状況が進み、デジタルでやりとりできる状況が加速しています。

高橋:
カタリナならではの業務としては、クーポンを発券する部分での検証業務などがありますが、今までおこなっていたフィジカルテスト(実際に紙を発券して間違いがないかを確認する)のフローを取りやめざるを得ませんでした。
ただ元々、実際に紙で確認しなくても、既存の運用フローの中で電子的な確認フロー(デジタル上で内容を確認する)が構築されていたのですが、「石橋を叩いて渡る」ではないけれど、念には念をで、最後に紙で印刷してトリプルチェック、フォースチェックするというフローになっていたものでした。
停止するにあたって、どのようなリスクがどれくらいあるかを定量的に判断するため、スタッフに直近の実績を分析してもらい、それを責任者で判断、残存リスクは十分受容可能であるという判断のもと当該運用の停止が早期に実現できました。
もちろんその後もそれにまつわる事故は起きていません。その手前までの確認プロセスが担当部門、スタッフたちのハードワーク&丁寧なプロセスによって徹底されており、むしろ無駄がそぎ落とされたといった感じです。

聞き手:
こういった緊急対応が必要な状況下での業務工程を減らす作業は、「できないから」といった理由などから強引に一部業務をカットしたり代替したりすることになり、歪みやトラブルが起きやすいかと思います。 万が一を鑑みた確認手順がしっかり機能していて、かつ想定リスクを分析、検討していたからこそ、変更がスムーズにいったという感じですね。

お話を聞いていると、スタッフ一人ひとりが、「本来はテレワークにできたらいいよね」「それがベストだよね」という気持ちを持っていた、そういった社風がベースにあったからこその成功なのかなと感じました。

高橋:
こういう状況にならなければ、みんな思いきれなかったとは思います。
テレワークではできない業務が残っていたとして、そのために誰かが感染リスクを負ってでも出社しないといけないという選択ではなく、「みんなで100%テレワークにするにはどうするか」を考える。全員がテレワークにするという最初の共通認識、ゴールの共有があったからかもしれません。
もし東京オリンピックが実施されていたとしたら、それにむけて少しテレワークの準備は進んだかもしれないけれど、ここまでスピーディには進まなかったと思います。

この状況が落ち着いてもテレワークを継続するか?

聞き手:
カタリナは、今の状況が落ち着いた後もテレワークを継続できる状況かと思いますが、皆さんはとうしてどうしていくべきと考えていますか?

榊原:
まさに今、話し合いを始めています。
オフィスの契約更新期限をタイミングの1つとして、それまでにオフィスのあり方を再検討する場合、今後同じ広さは必要ではないかも、という話も出ています。
今の広さの「3分の2くらいあればいい」という意見から、さらに「半分でもいいのでは?」という意見に発展してきていますし、さらにミニマムでもいいかもしれないという意見まで出始めています。
ワークライフバランスの観点から最適なオフィススペースとはどういうものなのかを検討し、広さだけでなく、立地や多くのミーティングスペースを確保できるレイアウトなども考慮して検討しています。
もちろん、本来はオフィスで行った方が効率がいい業務もありますし、リアルなコミュニケーションはなんらか必要なので、顧客対応など、オフィスに訪問・来社といった需要も残ると考えています。
実は当初、「外出が多い営業チームはサテライトオフィスでもいいよね」と相談したところ、(コミュニケーション効率の面などから)反対されたことがありました。しかし最近は、皆さんがテレワークに慣れて「全然やれるかも」という印象に意識が大きく変わって来ているのを感じています。

業務フローや契約の変更が大変だった、でもそれ以上に物理的なハードの調達も困難だった

聞き手:
では話を少し戻して。導入する際のハードルになっていたという「ハード面」での苦労について聞かせてください。

高橋:
元々、「(Teamsなどの)コミュニケーションツールをもっと積極的に使おう!」 というアナウンスは、ずっとしていました。特に会議ツールについてはほぼ徹底できていたと思います。
今の100%テレワーク状態になる前から、全社会議をオンラインで実施したりできていたので、スタッフ側としても比較的慣れた状態でスタートできたのでは、と思います。
それでもTECHチーム宛には、想定していた以上に初歩的な質問も多く届きます。例えば、「音がでない(スピーカーやマイクの設定がOFFに・・・)、「映像がでない(同様に設定がOFF に)、「繋がらない(そもそもネットワーク環境がないのに・・・)」など、些細な問題、当該製品のヘルプをみれば、十分自己解決できるであろう問い合わせも、最初はほんとうに多くありました。

大湯:
自宅でのネットワーク環境については、本来は個人で整えていただくことを前提としています。
今回は緊急対応として、派遣社員を含む全員にスマートフォンを手配、配布する対応を取りました。

聞き手:
今は全スタッフが何らかの連絡、ネットワーク手段をサポートされているということですね。テクニカルサポート用のチャットチャンネルを見ていて、大変そうだなぁと思っていました。。。

高橋:
毎日、かなり細かい問い合わせ対応をしています・・・。
そろそろ、「電波が入りにくいのだけど」とか、「インターネットがない(!?)」といった「しらんがな」と言いたくなるどうにもできない相談は減ってくれたらとは思いますが・・・(皆さん不安でしょうから)頑張っています。

大湯:
会社側の理解ある対応ももちろん大切なのだけど、「最低限の環境は自分で準備する」という認識を社員の皆さんに持っていただけないとフルテレワークは成立しないと思っています。
例えば、ワークフロムホームにするからといって、椅子や机、コーヒーなどの基本備品まで、会社で負担する。とは、なかなかなりにくいかと思います。
今は特例な事態だからスマートフォンも手配していますが、本来は「ワークフロムホームで仕事したいと考えるならば、その環境はまずは自分で整えてくださいね」というスタンスです。
ご自身で対応することが前提で、会社はそれを承認、サポートする。絶対全部自分でやってくれと言っているわけではなく、選択肢として用意しているということを理解いただければと思っています。

聞き手:
それでは次に。今回のテレワークの対応は、段階的に100%に近づけっていった。と伺っていますが、最初はどこからスタートしたのでしょうか?

高橋:
3月の半ばから状況が急に動いたこともあり、可能なところから急ぎスタートし、とにかく走りきったという感じです。
まずは正社員の中で、ノートパソコンを持っている人からスタートした形です。ただ、デスクトップしかないという人も多くいましたので、とにかくハード面の課題がクリアできている人からスタートしました。
次にデスクトップメインのスタッフに対して、TECHチームが「気合い」で(必要なスペックを確保した)ノートパソコンを探してきて・・・。必要な台数を購入&セットアップして、使い方、セットアップの仕方を説明して、配布して。ようやく全社員がテレワークに入れるようになりました。
もちろん、テレワークなどまったく想定してなかった人もいたので、自宅にネット回線がありませんとか、、、これもまた気合いで全員分のスマートフォンを調達して・・・セットアップして・・・それを配布することで環境を整えました。
そして今に至ります。

大湯:
人事サイドでは、ハード面同様、業務フロー、契約面の課題解決に苦労しました。
100%テレワークにするため、派遣社員の皆さんにもそれを実行していただくために、派遣元の会社に「ワークフロムホームにしてもらってもいいか」、何かあった場合の責任、指揮命令系統、コミュニケーションをどうするかなど、それに合わせたリーガルの見直しと調整を行い、さらに指示コミュニケーションルールを整理しました。
最初は「指揮命令者がワークフロムホームしていて、派遣社員はオフィスにいる」という状況が生まれることがあり、お互いに不安や業務遂行がしづらい状況も起きていたようです。

今後、この緊急事態の状況が落ち着いた後、派遣社員の方は原則オフィスに戻ってもらうことになりそうですが、そこについて派遣会社と交渉もしていますし、また指揮命令者がリモートでも対応が可能な状況にすべく、チームメンバーがオフィスにいたり、リモートでのコミュニケーションが取れればOKといった、ルールを緩める調整を進めています。

100%テレワークを実現したその結果、今力を入れているのは「社員のメンタルサポート」

聞き手:
ハード的課題、業務ルール上の課題をクリアし、100%テレワークを実現しているわけですが、その上で今感じている懸念点はありますか?

榊原:
メンタル部分に関しては配慮すべき点はあると思っています。基本的にはオフィスで仕事したいと思っている人や、何かしらの理由でテレワークにしたくない人もいますし、「全社員テレワークします」となったのは、この特殊な状況だからというのもあると思います。

全社員リモートワーク

大湯:
カタリナは「ソーシャルレスポンシビリティを意識することを、マインドセットとして持っていよう」ということを最初の段階から会社が掲げ、全社員に伝えています。
自分が外に出ることで、ウィルス感染を広げる、ウィルスに感染する可能性があるということを念頭におき、”とにかくウィルスを広げない”を徹底することで、社員の健康を第一に考える。
そのためにも一番初期の段階で「業務で必要だとしても、オフィスに来て感染するリスクが少しでもあるのなら、そんなリスクは社員に負わせたくない」という考えを役員、部門長が共有し、社員にも伝達して、マインドセットを変える努力をしてきました。

高橋:
今の状況になったからというわけではなく、たまたま自分が新しい部門の部門長となって、部下のみんなからすると責任者が変わったことになるので、全員と1on1をおこなったのですが、その際にあるスタッフが、一人暮らしだと1日中だれとも話さないこととかがあって辛いと話していました。「物理的に人と話せるのは貴重な時間だ」と言ってくれる人もいます。
インドア派で、ワークフロムホームを楽しく実践しているスタッフもいるようなのですが、一方でアウトドア派で、趣味がフィジカルなもの中心だったりする人は、外に出かけられないストレスからすごく気持ちが重くなったりしているようです。
この状況が続くと、メンタルをやられる人もいるんじゃないかな、フィジカルなコミュニケーションも必要なんじゃないかなと、と実感し始めているところです。

大湯:
まさにこの問題は産業医の先生とも先週お話していて、そのときに会社全体でワークフロムホームで仕事できるようにしているところは意外と少ないということを聞きました。
一人暮らしで、(食材などの)買い物以外に外に出ないとなると(外部との接触がほとんどなく)、ちょっとマインドが落ちる、鬱っぽくなる人も多いとのこと。
どうやってそこをサポートして行くのか、ワークフロムホームになったことによる、新たな健康サポートの課題があると思っています。
PRチームが「なんでもコロナ掲示板」(この状況で思うこと、あったことなどをなんでも気軽に共有、話す場として作ったチャットルーム)を作ったことで、結構コミュニケーション生まれていますよね。カジュアルな場を作り提供し、メンタルの健康被害をプリベント(予防)することにつなげる必要を感じます。例えば、チームで(バーチャルの)Face to FaceのMTGをしたりとか。
現在、4月から入社の新入社員も入社2日目からワークフロムホームになっています。最初から在宅になることで不安も多いと思うので、そこを払拭するようにエクストラにケアをしてほしいと、各上長にはお願いしています。

聞き手:
新しい会社に入って初めの頃は、会社のルールや仕事の「勝手」は、誰かについて歩いたり、サポートすることでその場の空気を見ながら慣れていく、仕事を覚えていく、といったケースが多いのではないかと思います。
何をすればいいか、どういう会社かもまだわからない時点から、フルリモートになってしまっている現状だと、「何すればいいかわからない」ということになったりしないのでしょうか?
もちろんメンタルの課題もあると思いますが、社員教育ができない・・・という課題はどうしていますか?

大湯:
まずカタリナでは、新卒採用がなくすべてキャリア採用になるので社会人としてのベースがあることが前提になり、新卒の社員がいるのとは少し状況が違うかもしれません。
ですので、お任せしたい(担当する)仕事の経験がある方が入社されるのである程度は大丈夫だと思っています。入社の週にオンボーディング(Teams上)でひととおりの研修プログラムを実施して、カタリナの全体像をお伝えするといったところのみサポートしています。
TECHチームからもツールの使い方、社内システム、ルールもレクチャーしています。
場合によっては資料を見てもらいながら、Face to Faceで実施することも。OJTもそうやって対応していますので大きな問題は起きていません。
人事チームとしては、4月入社の方が、そろそろ1ヶ月が立ちますので、 1on1を設定し、(不安や困っていることがないかなどを)ヒアリングし始めています。

高橋:
なにか聞きたいことがあっても、相手が今忙しいかがチャットシステム上だと分からないので、タイムリーにききにくいことがある、というのを聞きます。フィジカルに近くにいるのであれば、雰囲気とかで分かるんでしょうけど。
でもきっと慣れていくと思うし、実際にコミュニケーションも工夫されはじめている。LINEの「既読無視」ではないけど、「時間のある時に返事してくれていいよ」といった空気が醸成されていけば、そういった、気遣いからくるストレスは解消されるかもと期待する。

聞き手:
ありがとうございます。さらにネガティブな質問ばかりですみません。(皆さん聞きたいポイントだと思うので)ほかに想定してないなかったトラブルなどはありませんでしたか?

榊原:
情報共有ですね。お互いが顔を直接合わせることのない中で効率よく働くことが出来るかどうかは、社内で起こっている内容を把握し、タイムリーにチームに情報共有出来るかどうかが重要だと思っています。
確かにチームミーティングなどはあるけど、リモートで仕事をしていると、世界から隔離されているような気分になる人もいます。新聞などを見ていると「会社のために役に立てるのか」から「何故生きているのか」まで考えてしまう人もいるようです。
私のチームではこうしたことに対する対策として毎朝、朝礼のようなことを(オンラインで)やっています。
共有したいこと、困っていること、フィジカル、メンタル、様々な状態を(お互いに)確認し、繋がっているという気持ちをもってもらうことで、カタリナの社員、メンバーだということを感じてもらう雰囲気を作っています。

聞き手:
では逆に、このテレワーク対応を実施したことで得たメリット、新たな発見はありますか?

高橋:
メイクしなくて良くなったとか?

大湯:
そこかなぁ それじゃないな・・・。
通勤(のための移動)がなくなったこととか。
ちなみに私は、ずっと家にいるから、休憩の時間にオンラインで体を動かすトレーニングをしています。今までもやりたかったのですが、オフィスで実行しようとすると不審者・・・。人の目があってできなかったけど、「家だったらできる!」と気づきました。個人的には、意外と在宅のメリットになると思っています。エクササイズ用に着替えたりとかもできますし。
あとは、家にいるようになったから自炊するようになり、健康に気をつけるようになった。という話を聞きました。外食にかかっていた費用が浮いて経済的にいいとかも。

キアヌ:
独身、子供がいる家庭、夫婦二人の家庭、それぞれ事情が違いそう。僕の家は小学生と犬がいて、食事の支度や子供の相手、犬の散歩など、やることが増えてすごく忙しいです。逆に忙しくなっています。
独身のスタッフの中には、暇すぎてどうしようもないという話をしている人もいます。本当に様々なので、一度PRチームから社内サーベイかけてみようという話をしています。

高橋:
妻に「家のことを手伝えと言われ忙しくなっている」という人も。環境によってそれぞれ違いますね。

ーアメリカ本社と日本オフィスでのテレワークに対する違い

聞き手:
アメリカ本社でも同じようにテレワークを進めていると思いますが、日本との違いはありますか?

大湯:
やっていることは大体一緒、基本は全スタッフがワークフロムホームです。違うところといえば、US本社は意外と、会社発信のイベントっぽいコミュニケーションが多いです。
例えば、「Lunch and Laugh」(みんなでランチを食べながら、オンライン上で顔を見ながらランチをとり、カジュアルに話すイベント)。などTeams上でイベントを開催したり。
先日は、HR部門のトップがChildren’s books(児童書)の読み聞かせイベントを主催したりしていました。
メールやチャットの「文字」だけではなく、話をするリアルコミュニケーションを多用しているようです。絵本を読むのがいいのかはわからないですが・・・。日本でやっても面白そうかなと。
オンラインでご飯を映してみんなでウェビナーを繋ぎながら食事するとか、アイソレーションを感じている人にとっては意外とよいきっかけになるのではないかと思っています。

キアヌ:
もちろん日本のスタッフでもUSと同様にこういったコミュニケーションを実践している個人グループはあるかもだけど、アメリカと日本で文化が違うと感じるのは、日本でこういったことを企画すると、こういったことを「わざわざやりましょう」という構えた感じになること。
こういうコミュニケーションは本来、自発的にやるものだと思うのだけど、誰か一人が走り出してもうまくいかないかもと考えがちだなぁと思う。
だから、「これあったら面白い?」といった思いつきがあればどんどん実行して欲しいとも思う。海外では、そんなカジュアルなイベントがなんとなくたくさん自然発生する。
例えばイギリスチームのスタッフは、「Virtual afternoon tea time」というのをオープンに企画しているらしい。
日本だとこういったイベントは社内でも個人で仲のいい「フレンド」の単位でクローズドに企画される傾向。カタリナは様々な社内クラブがあるけど、現在はほとんど活動休止している。それをバーチャルで企画してオープンにしてくれればみんな参加できるのになど、考えてしまう。

聞き手:
そういえば、board game部とかありましたよね。私参加してみたいなと思っていたんです。あれバーチャルでやったら面白そうですよね。

高橋:
海外でそういったテレワークの中でコミュニケーションをとる企画が自然発生するのは、ベースの考えが、定時とか決まった労働時間ではなく、フレックスタイムのように、比較的労働しなくちゃいけない、という時間ががっちり決まっていない事からもきてるのではないかと思う。
カタリナは、結果的にテレワーク導入がが少し先でしたけど、ほぼ同時期にフレックスタイム制度を導入できたので、働く時間含めて、いろいろなことを柔軟に考えられたのではないかと思う。
タイムシフト制のままだったら、「そのイベントに参加している30分は業務時間じゃないのでは」みたいなツッコミが起こり、大変だったのでは。フレックス制度のように、ある程度労働時間についてスタッフ側に裁量性、柔軟性がないと、テレワークの中でのコミュニティ実現は難しいのではないかなと思う。

聞き手:
世の中では「リモートで業務を管理するためにPCを監視するシステム」などがサービスインされ、倫理的にどうなんだみたいな話も出ていますが。

高橋:
そういう信頼関係だとまず実現できないですよ。
さらに、例えば今この時間、ゲームしてても、テレビ見てても、フレックスタイム制度ですから、最後は自己責任。自己管理の問題です。最後にきちんとアプトプット、成果で評価されることをスタッフとマネージャー間で適切な信頼関係の中で握れていれば、そこまでガチガチに監視したり、違反があったからどう、って話にはならないのではと思います。

聞き手:
最後に皆さんにお伝えしたいことがあれば、お願いします。

高橋:
TECHサイドは最後に声を大にして言いたい!マジに大変だったのでっ!!!
この緊急事態な状態になってから、どこも配送が滞り、どこもかしこもノートパソコンの在庫なんか枯渇しかけていて、数日内に数十台確保、みたいな要望の対応ができるところはなかなか見つからなかった。でもBtoB取引で大量手配する事業者さんは大抵納期が1ヶ月とか2ヶ月とかばっかりで。。そうじゃなく明日欲しいんです、みたいな。
そんな中で、みんなからクレームが来ないレベルのスペックのパソコンを複数人で探し回って・・・・ 結局、最後はamazoneで短納期かつ十分なスペックなパソコンをみつけることができ、個人アカウント使って買ったんです。

30台、40台って本来個人ではあり得ない台数を、これまた個人決済ではあり得ないくらいの金額(350万くらい)で購入できました。個人で一括購入するにはカードの限度額超えてて・・・慌ててコーポレートカードを手配してもらったり。でも最後の最後まで、本当に全台数が3日後に届くか不安だった・・・。配送されたらそれでおわりではなく、それを一つ一つ全部開梱してセットアップするという作業をIT部門のスタッフはやってくれました。

当初、TECHチームの特にインフラチームは、ほぼ毎日会社に行って、大量のパソコンを開梱、セットアップして、さらに社員に渡すときにも、渡す場所の人口密度が過密にならないように、取りに来てもらうスロットを複数設定し、それぞれに最大の対応人数をもうけつつ、事前予約制にして対応していました。一通り配布も終わり、私のチームも今週からやっとテレワークできるようになってきています。

大湯:
スマートフォン導入について、もともとオフィス電話を固定電話から離脱しよう、FMC(Fixed Mobile Convergence)を導入しようという話は出ていました。だからサービスの候補を検討していたので、いちから調査して検討するとか、稟議を通してとかではなくて、最終の「どう進めるか」判断だけを話し合うことで進められたという経緯があります。

高橋:
200台のiPhoneが一斉にオフィスに届く様子もなかなか壮観だったけど。
今回の導入に合わせ、新規利用、機種変更など人によってさまざまなケースがあり、それに対応するためのマニュアルも作成しました。

聞き手:
みなさんの貴重な苦労話、ノウハウのお話もとても参考になりましたが、全社員一人一人の考えが「誰一人リスクを負わずに100%テレワークする」という意識で統一されていたからこそ、この短期間でワークフロムホームが実現できたのだと、感じました。
これから、状況が落ち着いてきたときには、新しいワークライフバランスを考慮した新しいスタイルにさらにブラッシュアップされていくかと思います。その時はまたぜひお話を聞かせてください。