セミナーレポート 「1億人のデータが世界を広げる」—カタリナが実現する新しいマーケティングの世界観

2018.9.18

TREASURE DATA主催「Treasure DATA PLAZMA 2018 in Digital Belt」に、弊社プロダクトチームブランドソリューションズディレクターの小川真輝が登壇しました。「Treasure DATA PLAZMA 2018 in Digital Belt」は、データの有効活用を目指す国内外の企業へ向けたデジタルマーケティングの祭典です。第3回目となる今回は、「MarTech Stack(マーテック スタック)の先行事例が拓くデジタルトランスフォーメーション」をテーマに、セッションや展示、ミートアップなどの様々な催しが実施されました。

(カタリナ マーケティング ジャパンの講演の様子)

 

デジタルマーケティング施策の“出口”となる店頭購買データ

小川の講演テーマは「1億人のデータが世界を広げる」。これまでクーポン会社として認知されることの多かったカタリナですが、そのクーポン施策を支えているのは、1億トランザクション/週という圧倒的なボリュームの店頭購買データです。全国の大手GMSやドラッグストアなど約1万店舗、約6万台のレジに専用プリンターを設置し、POSデータを活用したターゲティングによって認知率の高い広告施策を支援してきました。

 

「この圧倒的なボリュームの店頭購買データを、オンラインデータと連携させることの重要性に気づいたのが2016年の夏ごろだった」と小川。2016年といえばすでにデジタルマーケティングの重要性が当たり前の価値観となっていた時期ですが、当時はオンラインで完結する施策が主流であり、店頭にリーチする施策を実現できている企業はほとんどありませんでした。一方カタリナが保有するデータは、言うなれば「インターネットにアクセスしない、現金しか使わない」層にまでリーチできるもの。つまり、オンラインでのマーケティング施策が実際の店頭購買につながったのかどうか分からないという課題の”出口”となるデータを持っているのが、カタリナ最大の強みであると言えます。

 

店頭購買データをマーケティングの最適化に活用する世界観

 

(プロダクトチームブランドソリューションズディレクター小川真輝)

 

消費者のタッチポイントが急速にオムニチャネル化する現在、消費者のより良い購買体験と、リテーラーおよびブランド各社にとって真に意味のあるマーケティングを実現するために、カタリナは店頭購買データとオンラインデータの連携によるソリューションの構築を急速に進めています。

 

今回の講演では、カタリナのこうしたデジタル事業展開を支援するパートナーとして株式会社Legolissの重原洋祐氏にもご登壇いただきました。当初カタリナのデジタル事業展開は「紙のクーポンの世界をオンラインのアプリでも使えるようにしよう」という小さく閉じたものから始まりましたが、Legoliss社との協業によって、購買データをマーケティングの最適化に活用する世界観が見え始めています。

(株式会社Legoliss重原洋祐氏)

 

講演ではすでに実施した具体的な施策例もいくつかご紹介しました。TwitterIDと購買データを結びつけてインサイトを抽出する取り組みでは、カタリナアプリIDTwitterアカウントを紐付けた2000以上の連携IDを活用し、Twitter上でバズった人の購買傾向2000人分の分析を実現。拡散元と拡散先それぞれの購買動向を追うことにより「SNS上で拡散されたキャンペーンの結果、商品が本当に売れているのかどうか分からない」という企業の課題を解決することを目指しました。この取り組みではデータの精度などに若干の課題が見えてきたものの、今後様々なキャンペーンへの展開を見込める結果を得ることができました。

 

オンラインデータからは見えてこない要素の重要性

次にご紹介したのは、インストアメディア(紙のクーポン)と小売店の会員カードをピンコードで紐づけた事例です。この事例では、紙のクーポンに振ったピンコードをキャンペーンサイト応募時の必須入力項目にすることで、ピンコードの中にカードIDおよび購買データを紐付け、データが溜まった段階で広告のテスト配信を実施しました。

 

その結果、当該カテゴリの商品を過去に買ったことがある人とない人でセグメントすると、次のような傾向が見て取れました。

  • 当該カテゴリの商品を過去に買ったことがある人は、広告のクリック率が低くても購買率が高い
  • 当該カテゴリの商品を過去に買ったことがない人は、広告のクリック率が高いのに購買率は低い
  • 当該カテゴリの商品を過去に買ったことがある人は、広告を配信した結果、購買率が大幅に上がっている
  • 当該カテゴリの商品を過去に買ったことがない人は、広告を配信しても購買率の増加がみられない(むしろ下がっている)

 

この結果からは、広告配信の費用対効果が高いセグメントを考える際に、オンラインデータからだけでは見えてこない要素を考慮することがいかに重要か、ということが分かります。

 

購買に至る背景から実際の購買まで —「360°オムニチャネルプラットフォーム」の構築へ

 

20年に渡って培ったPOSデータおよびそれを取り扱う知見から「この商品を買った人が他にどんな購買行動をとっているか」といった情報を抽出するのはカタリナの得意な領域です。一方、その裏にある生活やライフイベント、属性データなどから「どのような経緯で購買に至ったか」を分析するのは苦手な領域であると言えます。そこでカタリナでは現在、Legoliss社や本イベントの主催社であるTreasure DATA社と協業し、アクセスログなどのオンラインデータと連携することによって、購買に至った背景から実際の購買行動までをカバーする「360°オムニチャネルプラットフォーム」の構築を進めています。

 

現在のデジタルマーケティングにおいては、CPAやクリック単価を効果測定の指標とするのが主流ですが、本来測りたいのは「消費者がそのマーケテティング施策の影響で商品を買ったのか?」という結果であるはずです。カタリナが20年に渡って培ったPOSデータの知見は、デジタルメディア(広告)の視聴が購買に与える影響を可視化し、実際の店頭購買データをマーケティング施策に折り込めるできる状態を実現することによって、消費財メーカーのマーケティング指標を変えていくことができると考えています。

 

最後に小川は「これまで難しかった『店頭購買までをカバーするマーケティング』の考え方が広がり、一緒に取り組んでくれる企業が増えていくこと自体が、マーケティング全体の発展につながると考えている。データの取得に慎重な企業の姿勢も尊重しながら、リテーラーと消費財メーカー、そして消費者にとって三方よしの世界を実現したい」と話し、講演を締めくくりました。

カタリナでマーケティング施策を最適化